今日のテーマは、『現代版:スタンプ紙幣の試みは、成功するのか??』です。
季節外れに暖かい毎日が続き、実感湧きませんでしたが、
2018年もあと『20日』ほどで終わりを告げますね。
大阪も、昨日の夜くらいから冷え込み始め、
いつも通りの『冬』の顔を見せ始めています。
公式ブログ読者の方々も共感して頂けるでしょうが、
年々、月日が経つスピードが増していっているように感じます(笑)
小学校の1年生当時。
『40日間』ある夏休みが『無限』に感じたものですが、
今となっては、『一瞬』気を抜いただけでも『40日』くらい簡単に過ぎます(笑)
きっと、
2018年の『残り20日程』も、一瞬で通り過ぎてしまうのでしょうね。
それが終われば、
いよいよ『2019年』がスタートしていくのですが、
来年10月には、遂に『消費増税10%』も現実化してしまいます。
30年も近く前、
最初に『消費税3%』が導入された時も衝撃でしたが、
それから何十年も経たない間に、その税率が『10%』に達するとは考えませんでした。
当時は、
『100円』で購入出来たジュースが『110円』になった衝撃程度でしたが、
次回の『消費税率10%』は、『国民生活』に直接影響を与えると考えられます。
まだまだ、
『軽減税率の導入』や、『各種特例措置の現場での対応』等、
見えて来ない部分も散見されますが、今回は強硬策も辞さない政府の決意を感じます。
それで、
増税後の『消費』『経済活動』の落ち込みを少しでも緩和する為、
『プレミアム付商品券』なるものの導入が議論されていますよね。
具体的には、
『所得要件』や『家族要件』で購入できる層が制限されるものの、
『2万5000円』額面記載の商品券が、『2万円』で購入し、利用出来るようです。
ただし、
これも無限に買い込んで貯めておける訳ではなく、
導入から半年間、『2020年3月末』迄の利用期限を定めて発行するようです。
考えてみたら当然の話で、
もし『使用期限』を設けないとすると、
購入できる層の『保有資産』は、無条件・無リスクで『25%』アップしてしまいます。
もしも、それが実現されてしまえば、
購入にかかる『時間』はわずか数秒程度ですから、
世界のトップ・ファンドマネージャーも驚愕する、
天文学的な『年率リターン』が達成出来てしまいます。
ただし、
この商品券を購入できる層は、そもそも低所得層が主流ですから、
それが実現出来た所で、大きく状況が変わらない事も考えられますが、、、、。
話を元に戻します。
お金の3大昨日の1つ、『保存機能』を放棄させ、
『使用期限』を定めて通貨発行する今回の試みは、
実は、世界的に見て『史上初の発想』というものではありません。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
今から90年ほど前の『世界恐慌』当時、
冷え切った『経済』を復活させる為、『スタンプ紙幣』なるものが考えられました。
これは、
『プレミアム付商品券』と同様、保存機能を放棄した紙幣を発行し、
『有効期限』内に使わせる事で、『お金』の循環スピードを増そうという試みです。
この時は、
残念ながら実現はしませんでしたが、
発想としてはとても興味深く、難局を乗り切る『景気向上策』として有効だと考えます。
当然、
『有効期限』を超えて使用はできない訳ですから、
これを保有する方々は、何とか期限内に『消費』しようと考えます。
普段、
『お金のセッション』を通して、多くの方々の経済事情を拝見して実感するのは、
『一度上げてしまった生活・消費レベルは、なかなか修正する事が難しい』という事。
つまり、
『期限内に使わないといけないから』と、必要以上の消費を一度経験すると、
少し怖い事ですが、無意識のうちに、『消費水準』は上がってしまうと思うのです。
2019年10月。
自然に考えれば『国民消費』は落ち込みますが、
確かに、『プレミアム付き商品券』を導入すれば、
その『落込み度合い』も軽減効果がありそうです。
そして、
その期間に上がってしまった『生活・消費レベル』は、
『商品券』を使い切った後でも、なかなか元に戻すことは出来ない。
この部分だけ、
『定点』で見るとあまり良くないように映ってしまいますが、
それが日本経済全体に波及して、経済循環スピードが上がり、
消費者の『収入』にまで反映されるようになれば良いわけです。
ただし、
私が、この政策があまり上手くいかないと考えるのは、
それを『低所得者層の救済措置』的な位置付けにして、
購入できる層を制限してしまっていることです。
少し考えれば分かる通り、
もともと『収入レベル』が低い方々が消費を上げた所で、
その割合は程度が知れており、その後の『消費持続性』も疑問が湧きます。
(*そもそも、使えるお金が元々少ない方々なのです。)
そうではなく、
『消費意欲』が最も旺盛な、中間層から上の方々にも『商品券』を購入させ、
この層の『消費レベル』を保つか・上げさせる方が国策的には絶対有効です。
ただし、
今回のように『購入制限』を掛けないと、
短期視点でしか物事を思考する能力のない、低所得者層から不満が爆発してしまいます。
結果、
この『現代版:スタンプ紙幣』という良いアイディアも、
『犬死』となり、一時的な『お茶の間の話題』として終わってしまいます。
政府関係者もこのことは重々承知していると思いますが、
2019年10月までに、何とかルールの修正が成されて欲しいものです。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太