今日のテーマは、『社会保障費推計減少は、素直に喜べるのか??』です。
冒頭から、1つ質問させて頂きたいと思います。
『2025年問題』という言葉があります。
公式ブログ読者の皆さん、聞かれたことはあるでしょうか??
ベビーブーム期に生まれた『団塊の世代』と呼ばれる方々が、
一斉に『75歳』以上の後期高齢者を迎えられる年がこれです。
私自身、
大学卒業時点の就職活動をしていた時期は、
正にこの『団塊の世代』と呼ばれる方々の集団退職を控え、
大企業を中心に『大量採用』を実行していた時期と重なります。
当時、
大学4回生だった私は、理系でほとんどの学生が『大学院』の進学する中、
『この2年間のロスは大きい!』と、迷わず学部卒での就職を決断しました。
結果、
『大きな流れ』に乗ったことが幸いし、東証上場企業13社から『内定』を獲得。
自身の就職したい企業を選択するという、贅沢な経験をさせて頂きました。
この時点で、唯一の『心配事』となっていたのは、
私がきちんと大学を『卒業』出来るかということだけでした(笑)
その点は、
当時の企業サイド、採用担当者もリスクを負ってくれたのだと思いますが、
それくらい、『団塊の世代』の穴を埋める為、躍起になっていたという事です。
それから約15年が経過して。
今度の『団塊の世代』の年齢移行では、
彼らの存在が、切実に『日本経済』を圧迫しそうな様相を呈しています。
年齢を重ねて来られた方々なら実感されるでしょうが、
そのことを最も顕著に感じる1つの要因に、『身体的変化』があると思います。
『若い頃は何もなかったのに、最近疲れやすくなった。』
『特別なことをした訳ではないのに、何故か身体が痛い。』
『疲労回復に、以前よりも時間がかかるようになった。』
『年齢を重ねて、身体にもガタが来ていないか心配だ。』
などなど。
子供の頃は『底抜け』にあった体力も年々減少し、
その概念すら持っていなかった『衰え』も、感じる年代になって来ます。
今日日の『60代』はまだまだ元気な方も多いと思いますが、
流石に、『75歳』を超えてくると、医療のお世話にならないと生きていけません。
このように、
『2025年』以降の日本では、
『後期高齢者』の方々の人口がいよいよピークを迎え、
『社会保障給付』の額も増大することが予想されます。
その『社会保障給付』。
中でも、疾病・傷病といった直接的に関わる部分の『医療費』ですが、
現時点で、2025年には『年間140兆円』に上ると言われています。
『単位』『金額』共に大き過ぎるので、
あまり私たちの実感も持てなくなっていますね(笑)
2018年時点の年間『医療費』総額が『100兆円』ほどですので、
この7年間ほどの間に、『約20%』ほど増加するという算段です。
ただ、
現在の税収が年間『約60兆円』程度ですので、
それと比較しても、とてつもない金額だということは分かると思います。
それで、
今回テーマとして取り上げた『社会保障費推計』ですが、
実は、ここ四半世紀の間に、大きく減少してきているという事実もあります。
当初、
1994年に見積もった『2025年度』の医療費は、
総額で年間『300兆円』を見込むほど大きなものでした。
それが、
2000年推計では、『200兆円』まで見積もりが減少。
前述から僅か『6年』ほどの間に、『100兆円』が消えてしまった計算になりますね。
さらに、
その推計は6年ごとに更新されていき、
2006年に『約160兆円』、12年に『約150兆円』と下方修正されていきます。
そして、
今年、2018年の推計では、前回よりも『10兆円』削減し、
『140兆円』を見込むラインまで下降してきました。
『四半世紀』という時間の中で、『約半分』まで減少してきたことになります。
果たして、これは喜ばしいことなのでしょうか??
もちろん、
単純な話として、『社会保障給付』が現象するのであれば、
そのまま直結して、日本経済の圧迫度合いは緩和されるので『プラス』です。
しかし、
この問題に関しては、決してこの部分だけ見ていてはわからない、
明らかな『数字のトリック』が仕組まれているのです。
そもそも、
今回取り上げた『医療費』以外にも、政府発表の推計は、
『算段が甘い!』と言われぬよう、厳しく出すという性質もあるようです。
ただ、
ここまで大きく推計が減少してくる背景としては、
実は、『日本経済の経済成長』が予想より低迷しているということが本質なのです。
実際に、
前述の1994年時点での推計算出では、
2000年までの国民所得の伸び率を平均4~5%、それ以降を3~4%としていました。
当時、
『バブル』は既に崩壊していましたが、
それでも日本はまだまだ『お金持ち』で、利回りの良い金融商品も市場に溢れていました。
上記の算出条件となる『数字』も、
当時の感覚からすれば、決して『リアリティー』が無いものではなかったのです。
しかし、
既に1990年代を経験した私たちは知っていますが、
それ以降の日本は、当時のイメージほど経済成長を成し遂げられていません。
誰も予想はしていなかったと思いますが、
そこから、失われた『20年(30年〜?)』がスタートしていたのです。
『医療費』の見積もり総額が減少したといっても、
それは単純に手を叩いて喜べることではなく、
『日本経済』全体としての数字が、予想より落ち込んしまっているということです。
おそらく、
『GDP(国民総生産)』全体に占めるシェアからしたら、
負担額シェアは、上がっていることすら予想されます。
何れにせよ、
『税収』『(国家としての)保有資産』から考えた際に、
『医療費』分野の歳出は膨大なので、『日本国の財政』を大きく圧迫し続けます。
公務員、医療関係者のクライアントさんと話していると敏感ですが、
関係する方々は、誰も日本の『医療制度』がこのまま維持できると考えていません。
同じく『社会保障』の範疇である『年金システム』同様、
日本の既存の『医療制度』も、近い将来、破綻を迎えるであろうシステムなのです。
これから数年後からスタートし、10年、20年と経過していく中で、
『日本経済』は、大きな『ターニング・ポイント』を迎える場面に直面します。
『サイン』は、日々、少しずつ発され続けています。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太