今日のテーマは、『資産形成に基軸通貨:USDを組み込むべき理由』です。
強く意識していた訳ではありませんが、
先日から、『通貨の信用リスク』に関する話題を、
公式ブログでもいくつか取り上げるようになりました。
これは世界的に見てとても『異例』な事ですが、
『日本人』の多くは、自身が保有する全ての資産を、
『日本円』として、『日本国内』で管理・保全しようという傾向があります。
いや、もしかしたら、その選択をしている意識すら無いかも知れません。
ただ、
生まれてからこれまで、『日本円』しか接したことが無く、
その方法で何とかやって来られたので、それを継続している。
しかし、
この行動は、『世界標準』から見るとかなり外れていて、
日本人ほど、『自国通貨』のみで資産保有する国民は存在しないのではないでしょうか。
何にせよ、
『通貨分散』は世界的に見てもスタンダードな考え方で、
『投資」云々の話の前に、まず『資産保全』という観点で実行されています。
それくらい、『当たり前』の事だという事を、まずはご認識ください。
それで、
いざ『通貨分散』しようと考えて、実行に移す時点になると、
これも当たり前の話ですが、『対象通貨』を検討しなければいけません。
ただ闇雲に『他国通貨』を選んでしまうと、
今話題の『トルコ・リラ』のようなババを引くケースも考えられます。
世界的に流通量も多く、信用もある程度確立されている、
『SDR決済通貨』に指定されている所が、順当に考えて選択肢となるでしょうか。
これは、
決して『日本人』に限った話では無くて、世界中、どの国家に所属していても、
『通貨分散』する際に『米ドル:USD』を外すことが出来る人はいないでしょう。
『米ドル:USD』の信用力は、2018年現在の世界では抜けていて、
その通貨無しに、日常の取引を行うことは、現実問題として考えにくいです。
『投資』『資産形成』というテーマに明るくない方々でも、
『米ドル:USD』の優位性は、肌感覚として理解されている場合も多いでしょう。
ニュース報道など、日によれば、日本国内のニュースよりも、
米国に関するトップニュースばかり報じているケースもあります。
それほど、『米国』とは、現在の世界経済に影響を大きく発揮する国なのです。
それでも、
何故、『米ドル:USD』を資産形成に組み込むべきなのか、
改めて、きちんと考えてみられたことはあるでしょうか??
『イメージ』的なことばかりが先行して、感覚的に『当然』と思える事ほど、
実は、改めて質問されると、説明できないケースは多々あります。
これも、
まさにその代表例のような質問の1つで、
『そう言えば、何でやろう??』と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
まず、
『表向きな回答』で言えば、『米ドル:USD』は基軸通貨として定められており、
世界ナンバーワンの『流通量』を誇り、『原油決済』にも使われる通貨です。
また、
その発行母体(*正確には違いますが。)である『米国』においては、
世界のGDPの約2割を創出し、証券市場の取引高も世界の約半分を占めます。
更に、
『金本位制度』は崩れ去理、その地位は凋落傾向にあるとはいえ、
『信用創造』の基軸となる『金:gold』の保有量も断トツの世界1位。
となれば、
全てが人類の『共同幻想』の上に成り立っているとは言え、
『米ドル:USD』は現時点で、世界一の『信用』があるように思えます。
こういった理由で、世界の多くの人々が、
『通貨分散』の観点からも、必ず『米ドル:USD』を組み込み、資産保全しているのです。
ただし、
その理由には、もう1つ大きなものが存在しています。
それは、
米国は現在も『軍事力』の観点で断トツの世界ナンバーワンで、
『基軸通貨:USD』を維持する為には、どんな手段をも厭わないという理由です。
先日、
あまり大きなニュースとしては取り上げられませんでしたが、
米国による、『イラン』に対する追加での経済制裁の報道が出ていました。
『大切なニュース』は、どうも深夜・未明に報道しますね。
米国自身がイランの貿易品の購入制限をするのはもちろん、
同盟国(と考えられる国々)にも、同様の対応を求めるものでした。
(*当然、日本も指名されていました。)
お気付きの方も多いと思いますが、
イランの代表的な輸出品となると『石油』が挙げられます。
この主たる『貿易品』を各国と交易させないことにより、
『イラン』の資金源をコントロールしようと考えるのです。
一昔前では、『イラク』の事例なんかもありましたよね。
『核兵器開発』云々といちゃもんをつけて戦争を始めましたが、結局の理由は、
イラクが『石油』の決済通貨を『米ドル:USD』から変えようとした事が発端でした。
今回、話題の中心となっている『トルコ』も、
『表向き』は牧師さんの高速のようですが、『本当の理由』は他にあるかも知れません。
『大人の社会』では、『本音と建前』が存在することを、
私も含めて、皆さん、よくご存知のことと思います。
『米ドル:USD』
2018年8月18日現在において、
この『基軸通貨』を除いて、『資産形成』を考えることは不可能です。
『未来永劫』、そのスタンダードが通用するわけではありませんが、
米国が『軍事力ナンバーワン』のうちは、この経済的覇権も掌握されています。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太