『CRS』本格稼働後、『海外投資』は色褪せてしまうのか??

今日のテーマは、『CRS本格稼働後、海外投資は色褪せてしまうのか??』です。

 

 

つい先日までの記事と比較して、

一気に、『お金』『投資』をテーマにした記事になりました。

 

 

『CRS(Common Reporting Standard:共通報告基準)』

 

 

皆さん、この言葉をご存知でしょうか??

 

 

各国の税務当局が、

自国の金融機関に『非居住者顧客口座情報』を報告させ、

年1回のペースで、参加国間で情報交換する仕組みです。

 

 

これは、

 

 

OECD(経済協力開発機構)加盟国間で、

国際的な『脱税』や『租税回避』を防ぐために策定された『新制度』です。

 

 

参加国間では、2017年に初の情報交換が行われ、日本は2018年から参加しました。

 

 

交換される情報は、

 

 

顧客氏名、住所、口座残高、利子・配当の年間受取総額など多岐にわたり、

国税庁は今後、『国外財産調書(*)』等の既存情報と突き合わせ、

未申告の資産があれば適正な徴税、徴収につなげていく方針のようです。

(*国外に『5千万円超』の財産を持つ人に提出が義務付けられている。)

 

 

これまで、

 

 

『海外』を経由して課税を逃れてきたスキームが明るみに出る際は、

『内部告発』や『偶然得られた情報』が発端となる事がメインでした。

 

 

それに対して、

 

 

この『CRS』としう新システムが本格稼働すると、

『自動的・電子的・義務的』に国外資産情報が本国に共有されることになります。

 

 

実際、

 

 

約1ヶ月前の『11月1日付』の朝日新聞では、

国税庁が、富裕層資産を中心に海外『55万件』の口座情報を得たと発表されました。

 

 

内訳としては、

 

 

アジア・オセアニアが29万件、欧州20万件、北米・中南米4万件、

中東・アフリカ1.5万件となっており、今後も増える可能性があるようです。

 

 

反対に、

 

 

日本からは『58』の国・地域に対して、『約9万件』の非居住者口座情報を提供しました。

 

 

更に、

 

 

恐らくそれを受けての話ですが、

『法人の申告漏れ1兆円(海外資産3670億円)』

『富裕層の申告漏れ670億円』等の発表も続いています。

 

 

現実は、

 

 

得られた『約55万件』という膨大な情報を取り扱う為、

実務上どのように取捨選択するか、『本格稼働』は少し先になるでしょう。

 

 

ただし、

 

 

『海外資産』もガラス張り(?)になるのは時代の流れのようで、

10年以上も前のように、『秘匿性』という観点では、

『海外投資』の優位性は失われていくことになりそうです。

 

 

ここまで見てきて、皆さんは、どう感じるでしょうか??

 

 

『海外投資はやっても意味が無い』と思いますか??

 

 

そもそも、

 

 

『秘匿性』が保持されている時代であっても、

居住地がオフショア街にある場合、その該当地域の『税法』に従うのは常識です。

 

 

これまた当然の話、

 

 

『CRS』本格稼働どうこうの問題は関係なく、

利益確定時、居住地の『税法』に従い、正しく納税する義務は以前からありました。

 

 

要は、

 

 

『オフショア金融センター』を正しく活用する人間としては、

今回の『新制度(CRS)』導入前後で、状況は全く変わっていないのです。

 

 

勿論、

 

 

『金融センター』には様々な資産形成方法が存在しており、

利益確定する時点までは、合法的に『税金』を繰り延べるスキームも健在です。

 

 

『利益』を確定していないので、当然の話ですよね。

 

 

そして、

 

 

自身の判断で『利益確定』した際には、居住地の『税法』に応じて、

適切に確定申告して『納税』してしまえば、法律的観点で問題無い。

 

 

繰り返しになりますが、『状況』は全く変わっていません。

 

 

『(情報の)秘匿性』は失われたものの、

 

 

『資産運用』する環境的に、これらの地域が適していることは変わりなく、

適切に活用する事を本来の目的とする方々には、今後も有効な選択肢です。

 

 

とても表現が難しいですが、

 

 

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井上耕太事務所

代表 井上耕太

ABOUTこの記事をかいた人

井上 耕太

・独立系FP事務所【井上耕太事務所】代表。
・1984年4月21日生まれ。岡山県津山市出身。
・2008年 国立大学法人【神戸大学】卒業。

【保有資格】
・CFP®(国際ライセンス:認可番号 J-90244311)
・1級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格:認可番号 第F11421005598号)

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・個人面談【人生を変えるお金のセッション】受講者は400組を超えており(*2022年4月時点)、活動拠点・大阪のみならず、全国から面談依頼が舞い込む。

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