今日のテーマは、『iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後資産の救世主になり得るか??』です。
10月スタートから継続してきた『年金』をテーマとした記事も、
一旦、今日の記事を持って、『一区切り』を付けたいと思います。
『10月』には、
『消費増税10%』という国民的一大イベントもあった為、暫く放置しましたが、
少しの期間置いておくだけで、『年金』をテーマとしたネタは沢山出て来ますね。
確かに、
『私たちの世代』と表現させて頂く20代、30代、40代の世代は、
生まれてから今まで、とても『豊かな日本』を謳歌してくることが出来ました。
しかし、
『栄枯盛衰』の言葉が示す通り、『豊かな日本』はいつまでも継続する訳ではなく、
『時代背景』の変遷により、私たちが暮らす『世界』も刻一刻と変化し続けています。
様々ありますが、
経済的観点で言うと、その最たる事例が『年金』というテーマだと考えていて、
『老後資産2000万円問題』の話題が出た際、世間があれだけ大騒ぎしたのが、その証拠です。
それでも、
『大多数』の日本人が『具体的なアクション』を起こしていないのが事実であり、
タイトルに採用した『iDeCo(個人型確定拠出年金)』は対象者拡大したものの、
今年(2019年)7月末時点、加入者は『850万人』に留まっています。
また、
2014年『NISA』、2018年『つみたてNISA』に代表される、
『少額投資非課税制度』は、口座開設者は1200万人いるものの、
実際に投資をしている方は、『少数』に限られると言われています。
このように、
海外諸国と比較しても、極端に『資産運用(投資)』をしない日本人ですが、
ここから先の時代、それを放棄することは、『人生放棄』を直接意味します。
では、
何故、日本人が『資産運用(投資)』に参加しないのかと言うと、
理由は様々あると思いますが、『何に投資して良いか分からない』が主因と考えます。
そこで、
現在、日本政府が最も力を入れて推し進めているのが『iDeCo』であり、
数年前の『対象者拡大』を始めとして、今後も、制度の利便性向上を画策しています。
『iDeCo』の情報を少しだけ整理すると、
自営業者に加えて、対象となる会社員の方々限定の制度でしたが、
2017年、『公務員』『専業主婦』といった方々まで対象者拡大が行われました。
それぞれの立場により、
年間で拠出できる金額は異なりますが、最低14.4万から最大81.6万円まで、
拠出する金額が『所得控除』の対象となるという『大きなメリット』が有ります。
また、
拠出した金額は、勿論『運用』される訳ですが、それぞれ選択した投資商品、
『定期預金』『投資信託』等の『利息』『譲渡益』は非課税対応となります。
この辺りは、前述の『NISA』同様の制度ですね。
また、
将来的に、『運用資産』を受け取る際も優遇されている制度であり、
節税効果の最も大きなものの1つ『退職所得控除』等の対象となる点も利点です。
このようにご紹介していくと、とても魅力的な制度ですよね(笑)
実際、
繰り返しになりますが、日本政府としても、この制度をイチオシとして進めており、
来年2020年の通常国会では、いくつかの『改正案』を提出する事が決まっています。
具体的には、
現在、企業型確定拠出年金を加入している方々が、この制度を利用する際、
『iDeCo』併用では労使規約を締結しなければいけない制度を、免除する事が1つ。
そして、
現行制度では、『60歳未満』としている加入期間上限も、
昨今話題の『働き方改革』に合わせて『60歳代前半』まで延長するという方針です。
私自身、
『iDeCo(個人型確定拠出年金)』という制度に対しては、上記の通り、
様々な節税効果が拡充されている制度の為、投資の理屈的には『肯定的』です。
ただし、
気を付けなければいけないポイントは存在すると考えていて、ご存知の方もいる通り、
『確定拠出年金制度』は、現行制度では、原則60歳まで引き出すことが出来ません。
例えば、
現在、『30歳』という年齢を迎える方であれば、引き出しを迎えるのは30年後、
公式ブログで常々お伝えしている『日本財政』の状況を考えた場合、不安を感じる将来です。
まさか、
先日までご紹介していた『公的年金制度』の財源とされる事は無いでしょうが、
いよいよ、日本国の『財政状況』が悪くなり『預金封鎖』などが起こった際は、
金融機関の『預金』同様、この辺りの資産も差押さえられると考えた方が自然。
こんな事を書くと、
『国家が、そのような血も涙も無いことをするんですか??』と聞く方がいますが、
『国家』という超巨大権力だからこそ、そのような『血も涙も無いこと』をします。
繰り返しますが、
私自身、『iDeCo(個人型確定拠出年金)』という制度の理屈には肯定的なものの、
頭に『日本の財政状況』という枕詞が付くと、大きな『懸念』を感じてしまいます。
既に、
制度加入して、『アクション』スタートしている方々は祈るしか無いですが、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太