今日のテーマは、『アルゼンチンのテクニカル・デフォルトは、日本の将来像か??』です。
一週間ほど前の話題になります。
8月4日、
『アルゼンチン政府』と『米欧債権者団』の間で、
『利払い削減』や『返済猶予』を柱とした
公的債務・再編計画の原則合意が発表されました。
これにより、
『アルゼンチン国債』を保有していた欧米投資家の、
保有する債権価値は、瞬時にして『半減』したことになります。
奇しくも、
大人気ドラマ『半沢直樹』の昨日(8月9日)放送分においても、
『帝国航空』の債権放棄(70%カット)が話題になったばかり。
同じ時期、
『現実世界』と『仮想空間(大人気ドラマ)』で、
同じテーマが並行して取り上げられていることに、
不思議な『シンクロニシティ』を感じてしまいます。
少しだけ振り返ると、
アルゼンチン政府が『デフォルト(債務不履行)』の可能性を、
初めて示唆したのは、今から2ヶ月ほど前、5月後半ごろです。
この時、
『テクニカル・デフォルト』なる言葉が用いられましたが、
要は、利払い・償還可能な外貨準備高があるにも関わらず、
アルゼンチン政府が、意図的に利払い放棄したということです。
しかも、
アルゼンチン政府が『デフォルト(債務不履行)』に陥るのは、
直近では2014年以来となり、累計で『9回目』を数えます。
責任の所在について、
現・フェルナンデス政権は、一貫して『前政権の失政』と説明しており、
就任直後から『債務減免』を求めて、公約実現を果たした形になります。
シンプルに、『借金の踏み倒し』ですね。
『債権者団』の中には、欧米・機関投資家も多く含まれており、
彼らは裏切られる形で、『大きな痛手』を負う事になりました。
今回、
交渉開始直後から、彼らの『負け』はほぼ確定的となっており、
その理由は、最大債権者となる『国際通貨基金(IMF)』が、
同国の『対外債務』は返済不能と認定したことが挙げられます。
つまり、
『最大債権者』が、債務回収を諦めてしまった時点で、
各機関投資家も、『敗戦』が確定してしまったのです。
『借金を踏み倒したもの』が笑い、『お金を貸したもの』が泣く、
歪な社会構造に、個人的には『違和感』を感じずにいられません。
前述の通り、
アルゼンチンは『デフォルト常連国』にも関わらず、
毎度毎度、国債市場への復活が許され続けています。
実際、
前回は2014年に『債務不履行』に陥ったにも関わらず、
2017年には、早々に『100年債』を発行するに至ります。
この時、
100年債販売によりグローバル市場から調達した金額は、
『30億ドル(約3300億円)超』と言うから驚きです。
しかも、
その保有者リストには『著名機関投資家』が名を連ねており、
今回のデフォルトには、この100年債も、当然含まれます。
何故、
『債権者団』は、デフォルト常連国のアルゼンチンに、
毎度毎度、ご丁寧に、騙され・裏切られ続けるのか??
それは、
『前回のデフォルトで騙されたもの』と『今回騙されたもの』が、
異なる人物だからというロジックにより、容易に説明ができます。
つまり、
前回(2014年)減免された債務購入の担当者は、
同国がデフォルトした時点で、『引責』させられた可能性が高い。
そして、
今回、『同様の手口』に引っ掛かってしまった債務購入の担当者は、
『前回の惨事』を経験しておらず、想像できなかったという事です。
また、
歴史的な『超低金利時代』が継続している現代において、
『リスク案件』に手を出さざるを得ない状況も、流れを加速させます。
この辺り、
欧米・機関投資家の各部門担当者も『会社員』なので、
会社から求められる『ノルマ』を達成していく為には、
ある程度、『危ない橋』も渡らざるを得ません。
勿論、
市場に存在する『歪』は、いつか、調整されるのが常ですが、
『それは、今じゃない』を合言葉に、足を踏み入れ続けます。
結果、
今回のような事例(デフォルト)は、繰り返され続けるのですが、
現代資本主義の不思議な魔力が、毎回、飲み込み続けてくれます。
ところで、
多くの方々が『対岸の火事』と考えているこのイベントですが、
『累積債務』の深刻さでは、日本も『他人事』ではありません。
むしろ、
日本の有事も『アルゼンチン型』であると予想されており、
近い将来、『テクニカル・デフォルト』を迎える可能性は高いです。
ただし、
日本のそれが、アルゼンチンと異なるポイントは、
債権者団に『海外投資家』が、ほぼ入っていないということ。
専ら、
日本国債の9割超は『国内(法人投資家)』で消化・保有されており、
『債務不履行』を公表しても『海外』からのバッシングは有りません。
『泣き』を見るのは、間接保有している『日本国民』です。
昨日の公式ブログで話題にした、世界No. 1投資家、
ウォーレンバフェットの名言の一つに、次の言葉があります。
『潮が引いて初めて、誰が、裸で泳いでいたのかが分かる。』
あなたは、『裸』で泳ぎ続けていないでしょうか??
着実に『準備』している方々がいることも、理解する必要があります。
定期開催する『資産形成セミナー』は、今後も、暫くの期間、
『リアル』『オンライン(Zoom)』を並行して開催します。
——————————————————————–
■8/28(金)将来のお金の不安が2時間で消えるセミナー@大阪・梅田■
■8/29(土)将来のお金の不安が2時間で消えるセミナー@Zoom■
——————————————————————–
また、
『オンライン開催』については、『リアル開催』の場合と異なり、
ご希望頂いた方への『1対1:個別受講』も対応させて頂きます。
(*この時期限定のご対応です。)
その場合、
通常開催(集合セミナー形式)より『濃い』情報をご提供出来ますので、
受講希望される方は、この機会を、ぜひ有効活用して頂けたら幸いです。
(*予告なく終了する場合もありますので、ご了承下さい。)
——————————————————————–
■8/28(金)将来のお金の不安が2時間で消えるセミナー@大阪・梅田■
■8/29(土)将来のお金の不安が2時間で消えるセミナー@Zoom■
——————————————————————–
*上記ご案内ページにアップする日程以外をご希望の方は、
下記アドレスまで、直接お問い合わせ頂けたら幸いです。
*井上耕太事務所公式:michiamokota0421@gmail.com
井上耕太事務所
代表 井上耕太