今日のテーマは、『世界スタンダードに学ぶ、資産保護という観点の必要性』です。
昨日の公式ブログでも書きましたが、
一昨日から、クライアントの皆さんと香港に来ています。
メインの目的は、昨日一日をかけて無事に達成しました。
皆さん、何事もなくミッションクリアされて何よりです。
昨日の記事の中でも少しだけ書かせて頂きましたが、
『香港』という街は、『観光都市』という側面以外にも、
『金融センター』として、世界的に重要視されています。
コネクションの無い日本人の方々には馴染みが無いですが、
『飲茶を食べる』のとは全く違った目的で、
この街に渡航している日本人も一定数は居ると思われます。
内資系メガバンクが幅を利かせる日本と違って、
この街で見かける金融機関は、一見、日本人にはあまり馴染みが無いものです。
しかし、
世界スタンダードから考えれば、それら金融機関の方が存在価値が高く、
いかなる金融危機が来ようとも潰れない、『Too big to fai』の代名詞とも言えるラインナップです。
昨日の記事中で、
『保険』という金融商品に関していえば、
それが日本で販売されている『粗悪品』とは、比較にならない事は述べました。
その他にも、
日本の金融機関勤務者でさえ、情報さえ入手出来れば、
自社商品そっちのけで契約を望む『投資対象』が溢れているのです。
何故、
『香港』がそこまでプレゼンスが高まっているかと言うと、
単に、『オフショア』という仕組みを導入しているからだけではありません。
もしそれが唯一の要因であれば、
世界に溢れる『オフショア地域』は、満遍なく資金獲得して潤っているからです。
しかし、
実際には、『満遍なく』『平等に』資金獲得できている訳ではなく、
世界に数ある『オフショア』地域の中でも、明確に優劣は存在しています。
皆さんもご存知の通り、
『香港』はもともと『中華人民共和国』の領土であり、
現在も独立性は保たれているとは言えど、
『中国と陸続き』という地形的要因は太古から変化していません。
これは、
高度に情報化された現在のグローバル経済下でも大きなポイントを占め、
『中国本土』からの資金流入を受けて、『香港』の地位は高まり続けています。
(*それでも、資金の流動性は以前より厳しくなる傾向が続きますが。)
やはり、
『人』も『お金』も、より多く集まる国・エリアにおいて、
『メリット』が集中するというのは、古今東西変わらない『原則』のようです。
何故、
『中国本土』の方々が『香港』に資産移転するかと言うと、
ストレートに言えば、『自国政府をそれほど信用していないから』と言えるでしょう。
一党独裁の社会主義国家においては、政府の思惑で、
一夜にして『通貨価値の切り下げ』が起こる可能性は、ゼロではありません。
何も保有していない方々には全く関係ないですが、
多額の『資産』を保有している人間からすれば、
これは無条件の『資産目減り』でしかないので、なんとしても避けたいイベントです。
自国内でビジネスをして得られるのは『人民元』でしょうがないですが、
その後は、『信用』の高い通貨・対象に予め換えておくことで、
『資産目減り』が起こるのをリスクヘッジしようとしているのです。
この感覚は、現代の日本人には欠如しています。
ここ数十年間、ある程度その価値は変動してきたものの、
『日本円』は一定レベルで安定して推移する通貨でした。
しかし、
このような状態であったからこそ、私たち日本人は、
『通貨に、固定(保証)された価値など無い』という、
『当たり前の事実』を忘れ去ってしまいました。
これは、
『世界スタンダード』から考えたら信じられない事で、
『国防的観点』に加えて、『経済的観点』でも、日本人は『平和ボケ』していると言えます。
私自身、
これ以外の場面においても、海外の方々が、
『資産保全』を常に意識しながら生活しているのを目の当たりにして来ました。
インドの方々が自国内で得ているのは『ルピー』ですが、
これは、『人民元』以上にボラティリティーが大きな通貨であり、
彼らは『宝石』『貴金属』に換える事でリスクヘッジしています。
また、
東南アジア始めとしたエマージングマーケットにおいて、
1番信用が強い通貨は、それでも、世界の基軸通貨『米ドル』。
そに次が交換レートは落ちるながらも『日本円』で、
その次がそれぞれの『自国通貨』といった具合に続きます。
しかし、
某国に訪れた際はこのバランスさえ崩れ去っていて、
3番目に位置する通貨は、隣国『タイ・バーツ』に変わられれいました。
街の掘っ建て小屋のような売店のおじさんが、自国通貨を受け取らないのです。
そのような一般市民でさえ、常に『アンテナ』を張り続け、
『資産保全』を考えながら、『保有する資産』を選択しているのです。
これが、『世界スタンダード』です。
翻って、日本。
正確な統計データは持ち合わせていませんが、
恐らく、ほぼ100%に近く国民が、『自国内で』『日本円』として総資産を保有しています。
それを否定するつもりはさらさら無いのですが、
私自身は、そのような『ギャンブル』に人生を捧げることは出来ません。
そのように極端に偏った『投資戦略』『資産保有戦略』は、
当たれば大きいですが、今後の変化の大きな時代では、
『外れる可能性』もなかなかの確率持ち合わせているからです。
そろそろ、ここ数十年の『平和ボケ』から目を覚まし、
日本においても、『世界スタンダード』な思考法を獲得する時ではないでしょうか。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太