今日のテーマは、『コロナ禍、さらに2025年問題は深刻化していく』です。
久しぶりに『社会保障(年金・健康保険)』分野の話です。
遠く感じていた【2025年問題】も、
遂に、カウントダウンに突入しました。
社会保障分野における『2025年問題』、ご存知でしょうか??
過去には、この公式ブログでも取り上げたことがありますね。
コアな読者の方々は、恐らく、理解して頂いていると思います。
社会保障における『2025年問題』。
それは、
『団塊の世代』と呼ばれる、多くのベビーブーマー世代が、
『75歳』の後期高齢者へと突入するエポック・ポイント。
必然、
『後期高齢者』が爆発的に増加していくということは、
日本国の『医療費』も、増加の一途を辿っていきます。
2021年現在、
日本国の一般会計(単年度会計)予算は『102兆円』を突破し、
この数字は概算要求ベースであり(補正なし)、年々増加します。
それに対して、
新発国債等で調達するものを除いた、純歳入は『70兆円』ほどで、
『30兆円超』ものギャップを、『公債金』を積み上げて賄います。
この辺り、
財務省ホームページには、分かりやすく記載されているので、
国民三大義務の1つ『教育』として、一度見てみてください。
話を進めると、
年々、増加の一途を辿り、終着点も未だ見えない『歳出』ですが、
その最も大きな増加理由は、『社会保障費』が上昇し続けること。
2020年度時点、
一般会計だけで『36兆円』に迫る金額が計上されており、
実に、一般会計予算全体の『3分の1超』を担っています。
これが、まだまだ伸びるんですね。
実際、
国立社会保障・人口問題研究所による試算では、10年経たない、
2030年時点で、後期高齢者数は『2200万人』に迫ります。
国人全体の『5人に1人(約20%)』が、後期高齢者ということ。
実は、
【2025年問題】は、厳密には『2022年』から始まっていて、
来年の『後期高齢者数』の伸び率は、前年比較として約4%増です。
もはや、『出生者数』を凌ぐスピードですね。
念の為、確認すると、
医療費は、高齢者になるほど高額になることが分かっており、
現時点で、75歳以上の平均値は『年間:約92万円』です。
これは、
『高齢者予備軍』と呼べる45歳〜64歳の世代と比較しても、
『3倍超』と突出して高く、高齢者医療費の現実を投影します。
要は、『75歳』を越えた辺りから、身体が衰えるということ。
恐らく、この『ボーダー』に関しては、私たち世代も変わりません。
元々、
自民党政権も『財政健全化』を大命題にスタートしましたが、
当然、『大河の流れ(高齢化の波)』自体は止められません。
そこで、
国家全体としての『税収』をアップさせることを考えますが、
突如『新型ウイルス』の襲撃を受けて、あえなく頓挫します。
2019年時点、
『2020年度』の税収は、年間『63.5兆円』を見込みましたが、
恐らく、今から出てくるデータでは『10兆円』ほど下振れします。
そして、
二大都市圏に、3度目の『緊急事態宣言』が絶賛発令中の今年も、
その傾向(国家全体の税収減少)が続くことは、明らかなのです。
因みに、全体としての『歳出』も爆増していますが。
更に、
『コロナ禍』という混沌とした、希望が持ちにくい時代では、
間接的影響として、長期的な『出生数減少』のリスクもある。
実際、
日本国内の『出生数:100万人割れ』が問題になったのは、
僅か2年前の『2019年』ですが、以降の減少率もヤバい。
翌年、
2020年の年間出生者数は、『約87万人』と見られており、
収入・雇用減少が叫ばれる2021年は、更に悲惨な数字です。
将来的な『経済活動』『税収』の担い手が、急減少しているんですね。
この状況で、
『社会保障費(年金・健康保険)』は、歯止めが掛かりませんから、
『デフォルト』する以外の結末を描けないのは、私だけでしょうか。
コロナ禍、さらに【2025年問題】は深刻化しています。
過度に楽観的な『希望的観測』は、持たない方が良い。
国民一人一人が『現実』をきちんと捉えて、
着実に『準備』することが必要な時代です。
井上耕太事務所
代表 井上耕太