今日のテーマは、『完全にオワコン化している、日本の公的年金システムについて考える』です。
昨日の公式ブログでは、
『私たち日本人がアップデートするべきこと』と題して、
新たに常態化しつつある為替水準について指摘しました。
為替に限らず、
改めて言うまでもなく、日々刻々と世界が変化する中で、
私たちは様々な概念をアップデートする必要があります。
今や、
昭和というワード自体死後となりつつあると感じますが、
令和を生きる世代にはもはや平成の概念すら通用しない。
最も典型的なのは、
かつて日本型雇用の象徴とされた終身雇用・定期昇給が、
2024年現在、完全に崩壊してしまっているという事。
ご存知の通り、
真っ当な感覚で経営されている有名企業ほど、社内でも、
同一労働・同一賃金の概念が共通認識化しつつあります。
また、
就労を終える、リタイア前後のライフプランについても、
60代以降の親世代と比較して、環境は激変しています。
実際、
3000万円規模の退職金を支給する企業は1%未満で、
それどころか全体20%超は退職金制度すら保有しない。
そして、
かつては老後生活の主軸を担うと考えられた年金制度も、
今後は殆ど機能せず、補助的なポジションに成り下がる。
私自身、
情報発信をスタートした10年前から一貫して繰り返し、
公的年金がオワコン化していることを指摘してきました。
それについて、
証明方法は、それこそ無限に存在していそうなのですが、
国民年金基金のシュミレートサイトでも確認が出来ます。
ここでは、
国民年金基金の制度を説明することは本題から逸れる為、
要点を理解するために必要な、最低限の紹介に留めます。
要は、
2階部分(厚生年金)3階部分(企業年金)を持たない、
自営業者に対する、1階部分(基礎年金)の上乗せ制度。
掛け金は、
加入年齢により異なり60歳まで変わらない定額タイプ、
65歳から受給開始し、保証期間の有無を選択できます。
仮に、
30歳から加入し、65歳から月2万円を受給し始める、
保証期間(15年間)有りの契約条件はどうでしょうか。
その場合、
月々の掛け金は『10,740円』と算出されているので、
年間13万円、30年トータル387万円を支払います。
対して、
65歳からの受給額は月2万円、年間トータル24万円、
平均余命を20年間と考慮すると、合計480万円です。
つまり、
保険料支払い期間=運用期間(30〜60歳)30年と、
年金受給期間20年間を足し合わせて『50年間』ほど。
これに対するリターンが僅か24%に留まるということ。
年換算された運用利率は、余裕で『1%』を下回ります。
また、
運用リターンは加入年齢が遅れるにつれて低減しており、
35歳以上は受給額が1口:月1.5万円に減少します。
にも関わらず、
当然、支払い保険料についての軽減措置などは存在せず、
40歳・男性のA型1口掛け金は『月額13,335円』。
同様に計算すると、
60歳までの20年間トータルで約347万円を支払い、
65歳からの20年間で360万円受給することになる。
加入年齢50歳では、
月額の保険料は『18,150円』まで上昇し、10年間、
約218万円を支払った後、240万円程を受給します。
因みに、
希望も含めて平均余命(20年間)で計算していますが、
保証期間(15年間)で算出すると期待値1を割り込む。
果たして、
このシュミレーションを見た上で国民年金基金に対して、
加入することの経済的合理性を見出す人はいるだろうか。
もちろん、
強制加入のもの(基礎・厚生・企業)は仕方ないにせよ、
任意加入のものについては思考停止した人がターゲット。
つまり、
自らの頭で考えて、行動することを放棄した人を対象に、
食い物にできるカモを誘き寄せているシステムなのです。
主導権を他者に渡した生き方の代償は想像以上に大きい。
その事実を、私たちはきちんと理解する必要があります。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太