今日のテーマは、『結婚しないという選択は、老後の経済に影響を与えるか??』です。
周知の事実ですが、『未婚率』は急激に上昇しています。
予め断っておくと、
私自身、『結婚』に関する善・悪を説く意思もなければ、
それに対して、どちらか偏った意見も持ち合わせません。
言うまでもなく、
社会の価値観は、ダイバーシティーの名の下に多様化し、
半世紀前のような、画一的なモノサシは消滅しています。
それでも、
現代社会の1つの社会現象として、同テーマと向き合い、
『老後の経済』への影響を考えることは大切と考えます。
繰り返しますが、『シングル』を貫く人が増えています。
現実に、
先日公表された『2020年:国勢調査』の報告書では、
シングル世帯は、日本全体の『38.1%』に上りました。
単純計算、日本全国『約4割』が単身世帯という事です。
実に、15年前の調査から『10%』程上昇しています。
勿論、
この数字には、日本国内に『長寿』が標準化したことで、
パートナーとの死別を経験された方々も含まれています。
しかし、
その事例で『嵩上げ』される数字も、全体では限定的で、
多くの場合、単純に『未婚率』が上昇していると言える。
実際、
同調査(国勢調査)で『50歳未婚率』も示されており、
男性で『25.8%』女性で『16.8%』を記録します。
少しだけ補足すると、『50歳未婚率』が表すところは、
50歳時点、生涯一度も『結婚』を経験しない人の割合。
男性で『4人に1人』女性でも『6人に1人』ですから、
普段、私たちが想像している以上に高い割合と言えます。
ただ、
価値観が多様化したからと言っても、『単身』の方々が、
好き好んで『シングル』を選択する訳ではなさそうです。
この辺り、
某政府系機関の大規模調査にも現れていて、単身者の内、
男性、女性とも9割近い方々が、将来的には結婚を希望。
要は、『願望』を持ちながら『未達』に終わっています。
その時点で、既に『経済的理由』があるかも知れません。
以前、『結婚相手』を仲介するサービスを提供している、
知り合いの経営者さんに、大変興味深い話を伺いました。
数年前の話ですが、
その時点における、女性の生涯未婚率は『10%』程で、
対する30歳未婚率は、『30%』程という状況でした。
普通に考えれば、
30歳時点で、未婚を選択していた方々の『20%』も、
その後20年間で結婚というイベントを経験しそうです。
しかし、その経営者さんは、その考え方を否定しました。
何故なら、
その時点で『30歳』の方々と、『50歳』の方々とは、
それまで生きてきた社会背景・価値観が大きく異なる為。
その時、
『50歳』だった方々の年代では、『30歳』時点でも、
未婚率は『10%』を少し上回る程に抑えられていたと。
つまり、
『30歳未婚率』と『50歳未婚率』は高い確率相関し、
年齢を重ねる毎に、イベント経験率は激減するのだ、と。
だからこそ、クライアントさん入会時に真剣に説明して、
覚悟を決めて、真摯に婚活に取り組んでもらうのだ、と。
中々、『厳しい現実』が存在していることが分かります。
繰り返しますが、間違っても善・悪の話はしていません。
単純に、現実問題として、そういう事実があるという事。
壮大な視点で考えると、日本全体の『未婚率』の上昇は、
歳入(税収)の担い手である現役世代減少を意味します。
2021年現在、並みいる海外先進諸国を退ける格好で、
『少子高齢化』ランキング・トップを日本は直走ります。
ただ、
私自身そうであるように、それを解決するという目的で、
『子供が欲しい』と考える人など、ほぼ皆無ですね(笑)
現実には、
『結婚する・しない』で直結する経済的問題の第1位は、
生活支出に『スケール・メリット』が働くかどうかです。
例えば、
一人暮らしを経験して、結婚する方々は理解される通り、
『共同生活』を実行することで、固定費は抑えられます。
『住宅関連費』『光熱費』『日常生活費』『通信費』等、
人によっては『娯楽費』『自動車関連費』もそうですね。
別々に生活する事で、ダブル・カウント項目もあるので、
結婚することは、経済的観点でも『合理的』な手段です。
繰り返しますが、決して『最大目的』と述べていません。
また、収入的な観点でも『メリット』は存在しています。
約2年前、
世間的に話題を呼んだ『老後2000万円問題』ですが、
標準世帯の基準とされた年金収入は、『月額22万円』。
この数字も、『単身世帯』で達成できるのは少数派です。
シンプルに、上記以上の『リタイア資産』が必要ですね。
冒頭お伝えした通り、
社会全体の価値観は多様化しており、これからの時代は、
何を『楽しみ・喜び』と見做すかは、それぞれ自由です。
ただ、
『個人の自由』を謳歌し、生きていくことは可能ですが、
その後待ち受ける『リスク』も、理解しておく方が良い。
きちんと向き合って『準備』をすれば、大丈夫ですから。
物事を刹那的にしか考えず、将来的な『潜在リスク』を、
全く理解・想定しないままに、日々を生きてしまうこと。
年末の反省も兼ねて、向き合っても良いかも知れません。
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代表 井上耕太