今日のテーマは、『資産形成(投資)においても、足るを知る人間が成功する』です。
以前、
SMBC日興証券が、組織的に実行していたとされる、
『相場操縦』について、ご紹介したことがあります。
その後、捜査は進み、起訴者が出る事態にまで発展。
これを受けて、
SMBC日興・近藤雄一郎社長は、会見を開くに至り、
公共の場で『深く反省している』と謝罪いています。
対象となったのは『ブロック・オファー』なる取引。
簡単に情報整理すると、
大株主から、市場外で大量の『株式』を引き受けて、
他の一般投資家に対して、売却するというプロセス。
問題視されたのは、
一般投資家への『売却価格』が終値で決定される為、
市場終了間際、自社資金で大量の買い注文したこと。
当然、
大量買い注文を受けた『対象銘柄』の株価は上昇し、
市場の評価とは乖離した株価で、取引を終了します。
証券会社としては、
そのように『対象銘柄』の株価を吊り上げることで、
取引(ブロック・オファー)を成立させる目的です。
業界的に、
それほど、『利益率』は高くないと言われるものの、
担当者(関係者)の業績には確実に積み上がります。
恐らく、
SMBC日興証券内では、この状態が常態化していて、
担当者(関係者)も、特別な罪悪感は無かったはず。
実際、
起訴された対象者らも、この話題が明るみに出た際、
『通常業務』というコメントを残したと記憶します。
そして、
これは、今回の事例(SMBC日興証券)だけでなく、
業界として日常的に行われていると考えるのが自然。
『ミエナイチカラ』は、確実に存在すると考えます。
実際に投資している方々は、日々、実感しますよね。
例えば、
事件として問われる該当日、大量の買い注文により、
対象銘柄は大引け(取引終了)5分前から反転上昇。
最終的に、
僅か5分間に『20円』の株価上昇を記録しており、
その後に控える取引成立に、成功したと言われます。
しかし、
そのような不思議なタイミングでの取引価格上昇は、
株価、債権、コモディティ等、市場に溢れ返ります。
原則として、
投資市場は、『美人コンテスト』と表現されており、
市場参加者の需給バランスにより価格決定されます。
確かに、
市場に大きなインパクトを与える『情報』が出た際、
それ(取引価格)に影響を与える場面もありますね。
ただ、
『これ』といった情報が、出ていないにも関わらず、
それまでの『軌道』が、突如変化することも常です。
その裏には、
100%に近い確率『巨人』の思惑が存在しており、
『個人』レベルの資金力では、太刀打ち出来ません。
今回の事件で、
捜査の対象となる該当取引は、比較的小規模ながら、
そのアマウントは『約6.6億円』と言われています。
正直、
証券会社からすれば、『雀の涙』程度の金額ですが、
個人資産として、簡単に打てる博打ではありません。
前述、
該当銘柄が『20円』株価上昇したと書きましたが、
それでも株価から見た上昇率は『3%』に過ぎない。
この事実からも、個人の資金力の限界を実感します。
半世紀以上前、
『アクティブ投資』の敗北は証明したにも関わらず、
未だ短期的な『歪み』を狙う挑戦者は溢れています。
私自身、そのようなスタンスで市場参加していない。
間違っても、
『自分は、第2のウォーレン・バフェットだ!』と、
烏滸がましい思考回路など、持っていないわけです。
確かに、
百戦錬磨の『バリュー投資家』であれば、短期間で、
『ミリオネア』になる事も可能なのかも知れません。
ただ、
『個人』としての能力の優劣如何を超えたレベルで、
『巨人』が存在することも、理解しておくべきです。
制空権を超えた領域で働く、ミエナイチカラがある。
決して、
自らの能力を卑下しろと言うわけではありませんが、
客観力を持って、正しく認識することもとても大切。
そうすることで、
自らが、どのような『行動』を選択するべきなのか、
視界も開けて、冷静に判断できるものだと考えます。
自らの能力的観点でも、『足るを知る』ということ。
これも『資産形成』を成功に導く重要ポイントです。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太