今日のテーマは、『分配型ファンドの呪縛を解かなければ、決して資産形成は成功しない』です。
世界基準で見て、日本人は『経済オンチ』と言われます。
私自身、
決して『日本人』が、民族的に劣っていると思わないし、
むしろ『勤勉さ』などを考慮すると、優秀だと考えます。
しかし、
第二次大戦後、敗戦国として強いられてきた教育の賜か、
確かに、経済・金融という観点では、優秀と言えません。
多くの日本国民が、
『お金のことを考えないこと』を美徳とする概念を持ち、
それこそが、日本人を経済的に恵まれなくする原因です。
確かに、
現時点『80億人』にも肉薄する地球上の人類のなかで、
日本人は、確実に『上位10%』に入る裕福な国民です。
それでも、
勤勉さ・労働力の観点から見た時、先進諸国と比較して、
決して『豊か』だとは言い難い状況が続くのが現実です。
当然の事ですが、
あなたが『経済的に豊かになりたい!』と思うのならば、
金融について勉強し、ルールを理解する事が不可欠です。
この辺り、
『スポーツ』と全く同じと考えていて、ルール把握せず、
その競技の卓越したプレーヤーになれる事もありません。
本日取り上げるテーマも、その1つの事例だと考えます。
かつて、
金融機関(証券会社・銀行)営業マンが販売に力を入れ、
人気を博したものに『毎月分配型ファンド』があります。
悲しき哉、
毎月吐き出される『分配金』が完全に年金と勘違いされ、
高齢者層を中心として、熱烈な支持を得た金融商品です。
しかし、
金融庁が『長期運用には向かない』と問題提起した結果、
それが世間に周知されることで、その後は衰退しました。
そもそも、
公式ブログ読者の方々は、ご理解頂けると思うのですが、
毎月『分配金』を吐き出す時点で、真理とは逆行します。
仮に、
該当ファンドが基準価額1万円、配当200円だった時、
大半の方々は、後者を純粋な『運用益』と考えています。
しかし、
金融に明るい方は理解される通り、事実は異なっており、
自らの拠出金を取り崩す『タコ足配当』の可能性も高い。
*餌がない時に、タコが自らの足を食べることに由来し、
金融界では『自己資金を食い潰すこと』を意味します。
結局、
『毎月分配型ファンド』で資産形成に成功する筈もなく、
反応する人間の多さが、リテラシーの低さを象徴します。
前述の通り、
一般的な形式の『毎月分配型ファンド』が衰退する一方、
最近、新たに主流になりつつあるスタイルがありました。
それは、
『予想分配金提示型ファンド』と表現されるものですが、
本質的な部分は『毎月分配型』とまったく変わりません。
基本システムは全て同じなので、少しだけご紹介します。
例えば、
該当ファンドの基準価額が『14000円』を超える時、
保有者は、事前提示された配当金『500円』を得ます。
同様に、
基準価額が『13000円〜14000円未満』ならば、
受け取ることができる配当金は『400円』という具合。
要は、
『基準価額』に応じた『配当金額』が事前に提示されて、
前者が11000円を下回る場合のみ、独自勘定になる。
個人的には、なぜ人気を博するのか理由が分かりません。
百歩譲って、世界経済の好調局面では良いかも知れない。
しかし、
現在のように、世界的危機に瀕している場面においては、
基準価額も下落し、必然的に配当は『蛸足』になります。
少しだけ冷静になって、考えてみても良いかも知れない。
仮に、
あなたが『月20万円』の配当収入を得ようとするとき、
単純計算、年間の配当収入は『240万円』になります。
次に、
株式の長期的な運用リターンを『年率5%』と仮定して、
上記金額を得るため、必要な『元本』を計算しましょう。
『年間240万円』 ➗ 0.05 = 『元本4800万円』
つまり、
『月額20万円』ほどの配当収入を得ることを考えた時、
運用資産として『約5000万円』が必要だということ。
そして、
少なくとも、その金額(5000万円)に達するまでは、
『配当金』など受け取ってはいけないという事なのです。
*現実的には、年間240万円の配当を得ようとする時、
運用資産総額が『5000万円』は心許ないのですが。
大多数の日本人は、『発想』を転換する必要があります。
先ずは、
短期視点で、楽して『経済的自由』を達成することなど、
現実世界では、起こり得ないということを理解すること。
常々、お伝えしている通り、真の資産形成は長期戦です。
一朝一夕には、何ごとも成し得ないということを理解し、
初志貫徹、『覚悟』を決めて資産形成を実行しましょう。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太