今日のテーマは、『著名投資家の引退宣言は、個人投資家のアクティブ戦略を肯定するか??』です。
先日、
米国の某・著名投資家の引退宣言が、注目を集めました。
その人物とは、
パーシング・スクエア・ホールディングス社代表であり、
『もの言う株主』としても有名な、ビル・アックマン氏。
同氏は、
自らの投資戦略を公表するスタイルとして知られており、
マスメディアも巧みに利用して『空売り』を仕掛けます。
その手法自体は、
株式市場で、比較的短期間で『利益』を得る手段として、
既に、世間に知れ渡っている『古典的手法』と言えます。
簡単に説明すると、
割高に評価されて、直近、下落するだろう銘柄を選定し、
第3者から借りてきた株式を、一斉売却してしまいます。
その後、
該当銘柄の株価が実際に下落した所を見定めて買い戻し、
先ほど、株式を借りてきた第3者に対して、返却をする。
そうすることで、
出来事の前後で、株式保有はプラマイゼロにも関わらず、
売買差益の分だけ、利ざやを稼ぐことが可能になります。
金融市場における、代表的且つ基礎的な『錬金術』です。
しかし、
ビル・アックマン氏が、『引退宣言』したことの理由は、
前述した『錬金術』の勝率が、急速に下降しているため。
実際、
過去には、某オンライン掲示板に集結した個人投資家が、
同氏公表の標的銘柄を買い越して、値を釣り上げた事も。
当然、
『空売り』という戦略では、株価下落の予想が外れると、
『ギャンブル』に負けることを意味し、損失を被ります。
以前であれば、
『ヘッジファンド』と聞くと、富裕層限定の投資対象で、
『絶対利益』追求の、神々しい(?)輝きがありました。
しかし、
ネットワーク(情報通信技術)が進化したことによって、
両者(*)のパワーバランスも微妙に変化してきました。
*ファンド・マネージャーと個人投資家とを対比した意。
前述の事例は、それを端的に表している1つの象徴です。
しかし、
それを以って、個人投資家による『アクティブ戦略』を、
肯定するための『十分条件』にはなり得ないと考えます。
確かに、
金融市場において、『ヘッジファンド』が動かす資金は、
『個人投資家』レベルのそれを凌駕することは事実です。
しかし、
常々、私が記事中『ミエナイチカラ』と表現するものは、
それより大きなアマウント(金額)の資金を意味します。
例えば、
『数十から数百億円』は、個人資産としては巨大でも、
全体にインパクトを与えるかと言えば、そうでもない。
実際、
前半でもご紹介した通り、運用資産『1億円未満』の、
『個人投資家』集団(寄せ集め)に敗北する程度です。
それでも、
それを以て、全体的な『潮流変化』とするのは危険で、
世の中には異次元レベルの『ミエナイチカラ』がある。
間違っても、『自信過剰』になるべきではありません。
私自身、これからも『パッシブ戦略』を貫く所存です。
自らの評価を『オーバーコンフィデンス』しないよう、
常に、『客観的視点』を持ち合わせることが大切です。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太