今日のテーマは、『政策金利:利上げのピークアウト直前、世界は危機なく乗り切れるか??』です。
直近、堅調の言葉を通り越して、日本株式が絶好調です。
本日(5月17日)時点、日経平均は1年8ヶ月ぶりに、
『3万円』の大台突破して推移することがその象徴です。
特に、
良い傾向と感じるのは、米国の動向と連動することなく、
完全なる独立事象として、強い市場を形成していること。
この辺り、
鶴の一声ならぬ『神の一声』は想像以上に威力が絶大で、
海外投資家の投資マネーが急速に国内に流入しています。
ただし、腰の軽い投資マネーは常にリスクを伴いますが。
反対に、
資本主義経済の『主役』であるはずの米国マーケットは、
直近の株価も足踏みが続き、暗雲が立ち込め始めました。
私見として、
最も良くない兆候は、米国・消費者(国民)間において、
クレジットカードの『ローン延滞』が急増していること。
先日15日、
ニューヨーク連銀公表の四半期報告によると第1四半期、
深刻な延滞に移行した割合は『4.57%』と前期比急増。
*深刻な延滞:返済期限から90日を超過している債務。
原因は、
コロナ禍以降、長期化するインフレに伴う物価の上昇と、
ローン返済にかかる金利上昇が影響していると考えます。
例年、
年末年始商戦後に、決まって減少するはずの債務残高は、
1月ー3月期も『9860億ドル』と横ばい推移します。
現行為替レート、日本円換算130兆円超の巨額な数字。
今後、
この数字が『1兆ドル』を突破するのも、時間の問題で、
米国民全体の債務残高は今後も上昇すると予想されます。
因みに、
年末年始と比較して、第1四半期で債務減少しないのは、
データを遡れる2003年以降で、初めての出来事です。
それだけ、借金に困窮する個人が増えているということ。
不安を煽り過ぎることも良くないですが、同様の傾向は、
サブプライム危機の前にもあっただけに不吉な予兆です。
更には、
個人向け与信を手掛けるクレジットカード会社の中には、
焦げ付き(貸倒れ損失)が目立ち始めているとの情報も。
直近で、
米・大手カード発行会社の不良債権比率は3ー4.5%で、
各社とも、前年同期比でプラス1%以上悪化しています。
やはり、
経済全体として好ましくない傾向にあり、株価の動向と、
独立した事象として『潜在的リスク』が充満しています。
今後、
最低水準にある失業率が上昇に転じたり、予想に反して、
インフレ・物価上昇が進行すれば消費者心理も冷え込む。
先日15日には、
米国内で、24時間以内に少なくとも7社の新興企業が、
金利上昇を主な理由に連邦破産法11条を申請しました。
現在、
市場全体の金利が、ピークアウト直前なのは確実ですが、
それ故、個人も企業も持ち堪えるギリギリの水準にある。
果たして、経済危機なく転換点を迎えられるでしょうか。
場合によっては新たなショックを経験する可能性がある、
私たちには、そういった覚悟も必要なのかも知れません。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太