今日のテーマは、『海外投資家による売り越し急増で、早くも日本市場が迎えた正念場』です。
8月後半に入り、
好調を極めていた前四半期(4ー6月期)の反動からか、
日本市場は明らかな息切れを見せて低調が続いています。
事実、
直近のピーク『3万3000円』を突破した日経平均は、
8月18日現在は、『3万1000円台半ば』を推移中。
わずか1ヶ月ほどで、約7%の下落に見舞われています。
奇しくも、
日銀・植田新政権がYCC(*)運用の柔軟化を表明して、
当面の金融政策に対して、不透明感が取り除かれた矢先。
*YCC(イールドカーブコントロール):長短金利操作。
なぜ、日本市場は苦しい立場へと追い込まれているのか。
それは、
私自身、上昇している局面から、常に注意喚起してきた、
腰軽な『海外投資家マネー』に翻弄されているからです。
実際、
海外からの資金流入を示す、海外投資家勢の買越し額は、
4ー6月期は10兆円に肉薄し、四半期として過去最高。
主な要因は、
投資の神様・バフェットが好意的な姿勢を示したことと、
東証による『PBR1倍割れ企業』を対象とした改善勧告。
しかし、
この時、市場に与えた期待値・高揚感が高ければ高い程、
求められた結果が、得られなかった際の失望感も強まる。
現在は、
一旦、『利益確定売り』を実行して、様子を見る動きが、
日本市場を舞台として急速に広がっているのが実情です。
また、
直近、現・岸田政権が急激に支持率低下していることも、
政治の不安定化に繋がるとしてネガティブ評価されます。
仮に、
事態を好転させる妙案があっても、低支持率の状況では、
変化を伴う改革は進められないと足元を見られるのです。
更に、
近隣の大国『中国』の景気動向にまで目を向けてみると、
メリット・デメリットの両側面を含むことが分かります。
例えば、
2023年時点で、東証上場企業全体の売上高に占める、
取引相手を中国とする割合は『約16%』も存在します。
つまり、
中国の景気が減速し、消費意欲が低下することになれば、
日本の大企業の多くも少なくない影響を受ける事になる。
反対に、
メリットを挙げるなら、中国から流出する投資マネーが、
消去法的に『日本市場』に向かう可能性も残るという点。
台風一過、
ここ数日ようやく落ち着きを取り戻し始めた日本ですが、
経済・金融の面では、油断できない局面が続いています。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太