今日のテーマは、『長年続いたゼロ金利に慣れてしまった日本人が、取り戻すべき感覚』です。
改めて言うまでもなく、
独立系ファイナンシャル・プランナー職業柄、普段から、
『投資・運用』に関するとても多くの情報が集まります。
公募・私募に関わらず、
世間で、いわゆる投資としてイメージされる案件のほか、
一般に広く周知された保険商品にまで、幅広く目を通す。
その中で、
特に、一般公募という形で国内販売されるものを中心に、
良くない意味で驚く商品に遭遇することが多々あります。
先日、
某・内資系大手保険会社が大々的にアナウンスしていた、
積立型死亡保障も間違いなくその1つに挙げられますね。
商品の要点を、シンプルに列挙して整理してみましょう。
・保険期間は10年満期。支払い期間5年の単純な構造。
・最低拠出額:月額5000円以上で設定した保険料を、
毎年(毎月)ドル・コスト方式にて積み立てしていく。
・保険期間中(最大10年)死亡保険金・解約返戻金は、
支払い保険料に対して常に100%以上をキープする。
・契約後10年経過し、満期を迎えた際の満期保険金は、
前半5年間の支払保険料に対して『103%』とする。
この内容で、投資の正否を瞬時に判断できるでしょうか。
分かり易く、
前半の5年間で支払う保険料総額を100万円とした時、
満期を迎えた際の返戻額は『103万円』という事です。
つまり、
あなたは、『10年間』と『100万円』の出資により、
このケースでは『3万円』の利益を得たことになります。
結論からお伝えすると、ゴミ商品過ぎて話になりません。
理由は明瞭です。
世界標準で考えた時、信用格付けがトップレベルにある、
債券(元本保障)運用の利回りは、年率4%複利が常識。
仮に、
前述した事例、5年間で100万円を拠出・運用した際、
満期を迎えた時の返戻額は『約137万円』になります。
つまり、
未だ、日本国内に蔓延る『ゼロ金利商品』に投資すると、
10年間で30万円もの利益損失が発生するということ。
この事実を多くの日本人が瞬時に見抜けるかどうかです。
前述の事例では、
投資元本が『100万円』というショボい事例でしたが、
投資元本が10倍になれば利益損失は『300万円超』。
さらに、
投資元本100倍になれば損失も3000万円超となり、
都心部にちょっとしたマンションを購入できる金額です。
奇しくも、
日銀は長期金利の誘導目標が1%を超えることを許容し、
日本もいよいよゼロ金利の眠りから覚める時が迫ります。
その時代を生きる上で、
金融の分野における『正常な感覚』を取り戻すことなく、
『資産形成』に成功することなど絶対に不可能でしょう。
一人でも多くの方々が、目を覚まされることを願います。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太