今日のテーマは、『30年を越えて年収400万円台に留まる日本人は、見事に茹でガエル化されている』です。
今年9月27日、
国税庁から、最新の民間給与に関するデータが公表され、
2022年の平均年収は『458万円』と判明しました。
因みに、
厚生労働省も同様の統計を取っており、バブルの最盛期、
1989年のそれ(平均年収)は『452.1万円』です。
30年以上の時を経て、見事に数字が変化していません。
いや、
聡明な読者の皆さんはお気付きですが、同期間における、
物価や税金、社会保険料の負担率の上昇まで考慮すれば、
30年以上前と比較して確実に可処分所得は減っている。
恐らく、
このことについて、日本人は疑問すら感じていませんが、
資本主義という経済システムを採用している先進国では、
他に類を見ない、異例の事態がこの国で起こっています。
改めて見て、
『年収400万円台』というのは、実に絶妙な数字です。
一般的に、
この収入レベルの源泉徴収率は『約20%』になるので、
前述の450万円に対して、可処分所得は360万円程。
実際には、
賞与等もある為、月々の給与額に変動はあるでしょうが、
年俸ベースで考えて『月額30万円』支払う仕組みです。
皆さん、
実生活の中で体験ベースで理解されていると思いますが、
この数字(月額30万円)で余裕ある生活は出来ません。
しかし、
生活が困窮して、死活問題になるレベルかと問われれば、
その状態に陥ることは、絶妙に回避できる収入水準です。
まさに『生かさず、殺さず』という言葉がぴったり合う。
30年を越えて、40年に迫ろうとする長期間において、
日本人の平均給与は絶妙なラインで推移しているのです。
もし仮に、
この水準から著しく下落して300万円台に突入したら、
不満が噴出し、温厚な日本人でも暴動を起こすでしょう。
しかし、
絶妙に飼い慣らすことのできるこの水準を維持できれば、
日本人の『平均帰属意識』をくすぐることが出来るため、
動乱を招くことなく、コントロールすることが可能です。
30年以上をかけて、日本人は茹でガエル化されている。
年収400万円台では、経済的自由の実現は殆ど不可能。
個人にとって社会全体はアンコントローラブルですから、
経済的自立・自律の解決策は個々の検討課題となります。
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今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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