今日のテーマは、『マイホームを購入するという、資産形成の本質に逆行する行動』です。
21世紀がスタートして早くも20年以上が経過します。
しかし、
『マイホーム』という対象に関して話をすると、未だに、
日本人の大半が20世紀後半の価値観を引き摺っている。
私が生まれた1980年代から、40年間変わりません。
遡ること10年以上前、
総人口がピークアウトしたことも起因して、全国的にも、
不動産の空室率が10%の大台を軽く突破している現状。
まして、
20%を超えると言われる『プレミアム』まで支払って、
マイホームを購入する意義は、経済的合理性から考えて、
限りなく『ゼロ』と言って過言ではないと感じています。
予め、
私自身のスタンスを明確にしておくと、冒頭述べた通り、
『マイホーム購入』という行動に対してネガティブです。
そう考える理由は大きく2つで、明確に説明ができます。
1つは、
一般の会社員がその行動(マイホーム購入)をとる場合、
可処分所得に占める住宅関連費が大きくなり過ぎるから。
今どき、
4年制大学を卒業して、一流大企業に就職したとしても、
生涯年収は3億円台で、可処分所得は2億円台前半です。
昨今、
高年収のパワーカップルという言葉が話題を集めますが、
フルタイムの共働きが40年間も継続できる訳ではない。
つまり、
理想的な会社員の夫婦をモデルケースに考えた場合でも、
世帯全体の可処分所得は一生涯で3億円程が良い所です。
そして、
マイホームを購入するということはローン支払いは勿論、
修繕費や税金その他諸々7〜8000万円はくだらない。
経験者は分かりますが、
一生涯で得られる資産全体の『4分の1』を喰われると、
人生における自由・主導権は劇的に失われてしまいます。
それを理解せずに行動しても完全に『後の祭り』ですね。
2つ目の理由は、
経済的自由を目的とした資産形成の本質から考えたとき、
それ自体がゴールから逆走する行動だと考えるからです。
昨日の公式ブログでは、
『10年で2倍に満足しない人がカモられる』と題して、
株式市場が平均リターン8%に収斂すると紹介しました。
表現を変えるなら、
投資の世界に絶対はないものの『年率8%』程であれば、
歴史的に見ても再現性をもって資産形成できるという事。
反対に、
昨日紹介した解説者同様『1年で元本が2倍になる』や、
それ以上のリターンを謳う投資話は嘘と見抜けますよね。
ただ、
年率8%(約10年で資産が2倍になる)ということは、
20年で4倍(2の2乗)、30年で8倍(2の3乗)。
分かり易い例として、
運用元年に1200万円(*)を拠出できたとするなら、
30年後の資産総額は『1億円』を射程圏にとらえます。
もちろん、
30年を超えて、運用期間は長く取れば、長く取るほど、
その後も、運用資産の総額は加速度的に増していきます。
人生の早い段階での決断は、その後への影響が絶大です。
翻って、『マイホーム購入』という行動を見るとどうか。
前述した7〜8000万円の金額を35年で完済した後、
その対象(マイホーム)に残された資産価値はほぼゼロ。
このあたり、
バランスシート(貸借対照表)を理解される方であれば、
私がお話しした内容が、明確に数字で分かると思います。
最後に、
人生に対する『価値観』『優先順位』は人それぞれの為、
マイホームの購入を完全に否定するわけではありません。
しかし、
実際にその行動を起こすことで人生に何が待ち受けるか、
上記の『リスク』は正しく理解して決断をするべきです。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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代表 井上耕太