今日のテーマは、『情報イノベーション全盛の時代、果たしてローマは一日にして成し得るか』です。
最近の流行語の一つに『Z世代』という言葉があります。
具体的には、1990年代半ばから2010年前後まで、
主に、『平成』の時代に生まれ育った方々を指している。
2024年現在、30代前半より下の世代とも言えます。
私自身、
生まれは1980年代半ばですから、彼ら・彼女らとは、
ミニマムで10歳ほどしか年齢は離れていないはずです。
しかし、
実際に『Z世代』の方々と相対すと、その年齢差以上に、
感性・感覚において大きな隔たりがあることを実感する。
一般に、
彼ら・彼女らは情報イノベーション全盛の時代に生まれ、
物心ついた時から充実したネット環境が整備されていた。
この辺り、
Windows95や初期型i-Macで驚愕していた私たちとは、
感性・感覚が異なることこそが必然なのかも知れません。
21世紀序盤で起きた、
情報テクノロジーの発達は世の中の速度を劇的に上げて、
凡ゆる分野で『時間』を短縮することに成功しています。
しかし、
『Z世代』以前に生まれ育った私としては、変化の中に、
どうしても違和感を拭い去れないものも確実に存在する。
かつて、
時代の寵児とメディアに担がれて一世を風靡した人物が、
『現代の鮨屋に(長期間、年単位)修行は要らない』と、
発言していた記事を見ていた時にも、それを感じました。
一般に、
東京・銀座、大阪・北新地に代表される高級鮨において、
修行期間はミニマムでも『10年間』とされて来ました。
しかし、
テクノロジーの進化で『情報』が溢れ返っている現代は、
その修行期間(10年間)も不毛で不要になるのだとか。
果たして、読者の皆さんはどう感じられるのでしょうか。
このことがずっと心に引っ掛かっていた最中、つい先日、
タイムリーに興味深いインタビュー記事を目にしました。
何でも、
東京は銀座の隣・有楽町で『下積み修行0日』の大将が、
100席も以上ある繁盛鮨店を経営しているというもの。
『下積みゼロ日』というフレーズはとてもキャッチーで、
如何にも現代的、大衆の興味を引くのには十分ですよね。
当然、
にわかには信じられない思いで記事を読み進めましたが、
『実際』が分かるにつれて大いに合点がいく内容でした。
簡単に紹介すると、
『握り』の行程はネット動画で独学しひたすら反復練習、
自ら客として鮨屋に行く際も、プロの技を盗む徹底ぶり。
また、
『ネタ』についても、豊洲市場の最大仲卸さんを日参し、
信頼関係を構築して最高級のものを仕入れるという手法。
どうしても、
『楽して簡単に』が持て囃されがちな現代社会において、
成功の秘訣は、昭和ばりのアナログな部分にありました。
この話の大将は、
ただ単に、高級鮨店での修行期間が『ゼロ日』なだけで、
『修行』自体には、膨大な時間と労力が注がれています。
そして、
本人も『修行期間ゼロ日』という言葉の独り歩きを嫌い、
その道を極める上では『修行』が必要であると認めます。
『自然の摂理』は2024年も間違いなく成立している。
そして、それは『資産形成』においても然りと言えます。
巨大都市の『ローマ』も、絶対に一日では成し得ません。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太