今日のテーマは、『相次いでいるSNS型投資詐欺の被害報道から、私たちが学ぶべきこと』です。
先日、
著名人を騙る人物がSNSを経由して投資話を持ちかけて、
詐欺へと誘導する事件がメディアを賑わせていましたね。
実際、
広告塔にされた著名人たちが、管理義務を怠ったとして、
SNSサービス運営会社を訴える事態まで発展しています。
また、
報道によると60代から70代の高齢者たちが相次いで、
『億単位』の被害に遭うケースも散見されると言います。
警視庁では、
これを『SNS型投資詐欺』にカテゴライズしていますが、
昨年までを大幅に上回るペースで急増しているようです。
この報道一つとっても多くのことを学ぶことが出来ます。
思いつくままに、幾つか列挙してみることにしましょう。
①自らの器を超えて人は『お金』を持つことが出来ない。
恐らく、
報道されている被害者たちの大部分は、今回対象となる、
『お金』を自ら構築したわけではないと推測しています。
何故なら、
『億単位』のお金を自助努力により構築したのであれば、
事業であれ投資であれ、その過程で守りが強くなるから。
きっと、
財産分与や相続等で転がり込んだ『お金』と考えますが、
いつの世も『あぶく銭』が身に付くことなどありません。
②億単位を保有するカモリストが裏社会で出回っている。
統計によると、
2024年現在の日本において、不動産資産等を除いて、
金融資産『1億円超』を達成しているのは全体2%未満。
つまり、
50世帯に1軒の割合で存在していることになりますが、
ランダムに攻撃することは仕掛ける側にとって非効率的。
その為、
自助努力以外で『億単位』のお金を得た、守りの脆弱な、
投資詐欺にかかりやすいカモリストが存在すると見ます。
③人間の『もっと、もっと』という欲望には際限がない。
前述の通り、
1億円超の金融資産を保有するのは全体2%未満であり、
冷静に考えれば、それら上位2%はお金に困っていない。
むしろ、
高齢者(60代、70代)であるという点を考慮すると、
不謹慎ながら資産を一生涯に使い切れない可能性も高い。
にも関わらず、
恐らくは『1年で2倍』や『2年で3倍』というような、
地に足のついていない幻想話に引っ掛かったということ。
改めて人間の欲望は限度がないことを思い知らされます。
④SNSの繋がりで本質的な情報が得られるという錯覚に、
若者だけではなく、高齢者たちも完全に毒されている。
元々、
私たち昭和世代は、大人になってからSNSが出現した為、
それに対して、心から信頼は抱けないと考えていました。
それ故、
そこで交換される情報、それのみで繋がる人間関係には、
残念ながら、本質的なものは存在していないと感じます。
でも、被害者の高齢者たちはそれを完全に錯覚していた。
それほど現代の感覚に毒されているということでしょう。
もちろん、
今回取り上げている事象(SNS型投資詐欺)については、
騙すサイドの人間が絶対的な悪であることは理解します。
しかし、
そういった(相手を騙す)人間は今後も生み出される為、
未来永劫、世界から消えることがないことも熟知します。
それならば、
決して実現することのない理想論を語るヒマがあるなら、
現実的な対策を講じたほうが、よっぽど建設的ですよね。
他者の失敗に学び、私たちは賢くならなければならない。
思考回路を使う方向性として、完全に間違っていますが、
我々を騙そうとする人間は日々進化しているのですから。
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2023年1月よりセミリタイア生活に入っているため、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太