今日のテーマは、『クジラは、再び動き出すのだろうか??』です。
このタイトルを聞いて、皆さんは『ピン!』と来るものがありますか??
公式ブログのコア読者の方々はお分かり頂いていると思いますが、
私は『水棲哺乳類』を研究する学者ではないので、『鯨』の事を言いたい訳ではありません。
その点、断らずともご理解頂いてますよね(笑)
それでは、何の話がしたいと思っているのか??
『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』
金融関係者で『クジラ』という単語を用いる時は、
殆どの場合、世界最大規模の機関投資家である、上記対象を指します。
金融に明るい方はご存知でしょうが、
現在、長期的に『堅調』な動きを続ける日本市場において、
『アベノミクス成功』が成立し得たのは、『クジラ』の市場介入があったからです。
日本国民の『年金資産』を運用する同ファンドは、
2018年第二四半期時点で、運用総額『165兆円』を誇る超巨大ファンドです。
ここまで『体(運用資産総額)』が大きくなると、
自身の『動き』が、市場に対して直接的に『影響』を与えるのもご理解頂けますよね。
『体(運用資産総額)』の小さな個人投資家レベルであれば、
自身の『動き』は、市場の大きな流れに相殺されて、全く意味を成しません。
しかし、
『体(運用資産総額)』が大きくなるほど、一挙手一投足も力が増しますから、
『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』が動く時、市場の潮流にも変化を与えます。
事実、
それが最も顕著だったのが『2014年10月』からの一定期間で、
『クジラ』は自らの『保有資産シェア』を大きく変更し、
『債券』を解消して、その資金を『株式』へと流入させて来ました。
具体的には、
従来の『国内債券比率:60%』から『25%』まで減少させ、
反対に、『株式保有(国内):12%』を『25%』へと倍増させたのです。
この為、
『日経平均株価』は短期間のうちにぐんぐん上昇し、
民主党政権下の『株価低迷期』を、一気に『過去のもの』へと吹き飛ばしてしまいました。
併せて、
日銀と協力して『金融緩和』も継続していたのですが、
例え『上げ底』をして実体が伴わなかったとしても、
一瞬『好景気感』を演出できたのは成果があったと言えます。
それで、
2014年の『保有資産シェア大変動』の時期から時間が経ち、
私も含めて、暫くの間、『クジラ』に対してノーマークになっていたと思うのです。
その証拠に、
先日の私の公式ブログ記事では、『米国市場』と『日本市場』の動きのズレを、
マーケットに存在する『パラメータ(変数)』の増加により結論付けています。
本当であれば、この時点で気付いておくべきでした。
『投資』『資産形成』に興味をお持ちの方は実感されるでしょうが、
最近、『米国市場』と『日本市場』の動きが、従来と異なる場面が散見されました。
具体的には、
夜のマーケットで『米国市場』が下げても、翌朝の『日本市場』は上がり、
反対に、『米国市場』が堅調さを取り戻しても、『日本市場』が下落する日が続いたのです。
今から考えれば、確かに、この動きはおかしい。
『クジラ』の影がちらつき始めたのは、先月30日、31日の事で、この両日、
『日経平均株価』は前日比それぞれ『307円高』『463円高』で取引を終えています。
『個人投資家』はもちろん、他のファンド・機関投資家でも
ここまで市場に対して『インパクト』を与える事が出来る人間はいません。
ただし、
この『波』を起こした犯人が『クジラ』だとすると、『信憑性』は高まります。
これが真実だとすると、『米国市場とのズレ』にも、一気に合点がいきますね。
『クジラ』の影が噂されるようになったのは、
1つは、これまで国債・株式・ETFを買い入れていた、
『日本銀行』という弾(購入原資)が切れ始めたことが理由です。
そして、
2つ目の理由は、今年相次いで『厚生年金基金』の解散が起こり、
『クジラ(GPIF)』本体の『短期資産』が、『14.5兆円』も積み上がってしまった事です。
その他、
『外国債券』『国内債券』といった資産まで含めると、
『無リスク資産』は、未だ、クジラ(GPIF)全体の『約50%』を占める事になります。
世界スタンダードで考えた場合、
最適な『年齢別アセットミクス』は、60代(個人)であっても、
『リスク資産:55%』『無リスク資産:45%』ですから、株式介入の余地は有ります。
若干『5%』と思われるかも知れませんが、
『クジラ』の体の大きさを考えると、その割合でもかなりの『影響力』はあるのです。
当然の話ですが、『日本市場の変動』というものは、時の政治家の『通知表』となります。
現政権が、『クジラ』に動きを発動させて、市場を買い支えることも十分考えられる。
暫く『マーク』を外してしまっていましたが、
ここから一定期間、『クジラ』の動きに注視しても良いかも知れません。
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代表 井上耕太
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