今日のテーマは、『暗号資産(仮想通貨)は、果たして通貨として成立するか??』です。
毎日、話題には事欠かない相場が続いています。
日本国内は、新型ウイルス感染者数が再び急増。
東京五輪を開催している真っ只中にありながら、
首都圏『緊急事態宣言』も現実味帯びて来ます。
日内新規感染者数も、全国で『1万人』に迫り、
首都・東京のみで、全体3割を占めている状況。
当然と言えば、当然なのかも知れませんよね。
私自身、
『新型ウイルス』出現以前、2年近く前までは、
毎月、仕事で東京に行く生活を送っていました。
普段、
活動拠点は『大阪』に置きますが、有り難い事に、
クライアントさんは全国にいらっしゃる状態です。
必然、
関西以外では、東京近郊エリアに集中している為、
毎月、上京して、フォローさせて頂いていました。
しかし、
現在のような状況では、感染リスクを回避する為、
とてもじゃないですが、定期的な訪問は適わない。
2021年に入って、首都圏を訪れる機会もなく、
今後の予定も、全く入っていないという状況です。
オンラインを有効活用して、暫く大人しくします。
話を戻すと、
『新型コロナ』を巡り、混沌とした世の中ですが、
市場は日々、目まぐるしく変動しつづけています。
今日は、暗号資産(仮想通貨)を取り上げます。
1ヶ月ほど前、
ネガティブ要因が連続し、価格下落を紹介しましたが、
暫く触れない期間、その値を大きく戻して来てました。
代表通貨『ビットコイン』の値動きを追っていきます。
今春、
過去最高となる『6万ドル』を突破した後、急降下し、
一時的には『3万ドル』の割り込み懸念もされた状況。
僅か、
3ヶ月間という期間で、最高値から『半値』ですから、
中々、スリリングな気分を味わわせてくれる対象です。
それでも、
『第一次ピーク』と表現できる17年から18年初頭、
価値『8割』を吹き飛ばした歴史から見ればマシです。
恐らく、
暗号資産(仮想通貨)市場をメインに活動する方々は、
『リスク感覚』が麻痺してしまっていると考えますが。
そして、
直近1ヶ月間は、アマゾンが関連広告を掲載した事で、
同社が『決済機能』として採用するという憶測が拡大。
現時点、
アマゾン広報者は、年内の可能性を否定していますが、
市場参加者は、その言葉をそのままは受け取りません。
当然、
ゲーム・チェンジャーが『本音』を言うはずなどなく、
その決定が為されても、判明するのは公表の瞬間です。
実際、
ネガティブな発表に、一時的に価格は下落したものの、
その後持ち直し、現在は『4万ドル』を突破しました。
価格推移グラフは、遊園地の絶叫マシンさながらです。
もしかしたら、こちらの方がドキドキするかもですが。
果たして、この対象は【通貨】として成立するか??
10年ほど前、
私自身、アジア圏の途上国を頻繁に訪れていた頃、
これに通じる、興味深い経験をたびたびしました。
途上国に渡航経験の多い方々は、分かりますよね。
各国、もちろん独自の『法定通貨』を持ちますが、
外見で『外人』と分かる人物から受け取りません。
何故なら、
彼ら・彼女らは、海外から渡航して来た私たちが、
基軸通貨『米ドル』を持っていることを知るから。
当然の如く、殆どの決済で『米ドル』を求めます。
勿論、
現地人同士は、その国の通貨を取引するのですが、
何故、渡航者に『米ドル』を求めるのでしょうか。
理屈を理解している方々にとっては、自明ですね。
そう、
経済基盤・財政状況が脆弱な途上国の法定通貨は、
値動きの変動幅が大きく、資産価値がブレるから。
折角、
ビジネスを通して獲得した『法定通貨』であっても、
保有する過程で、その価値が減少したら一大事です。
この辺り、
中国、インドなどの大人口を抱える富裕層も同じで、
国内で獲得した自国通貨は、速やかに転換していく。
対象は、
貴金属を始めとした『コモディティ』である場合や、
そのまま『外貨』に転換していく場合もありますね。
要は、
海外諸国の方々は、通貨のボラティリティを意識し、
変動幅の大きなものは、敬遠する傾向にあるのです。
私自身、『ギャンブル』をするつもりはありません。
暗号資産(仮想通貨)は、名称に『通貨』が入る分、
一般の方々は、少しだけ認識の間違いをしています。
これが、保有資産ポートフォリオの一部を構成する、
『投資対象』として見ているなら、まだ分かります。
しかし、
間違っても、通貨としての『決済機能』は不十分で、
変動幅の観点からは『価値保存機能』も疑問符です。
繰り返しますが、私自身、現時点保有していません。
暗号資産(仮想通貨)を客観的に、冷静に評価して、
自身の保有する・しないをご判断頂けたら幸いです。
井上耕太事務所
代表 井上耕太