今日のテーマは、『世界各国の共通課題、通貨独立について考えること』です。
先日の公式ブログでは、
『再び1ドル=110円時代は到来するか?』と題して、
『日本円』が直面している厳しい状況をご紹介しました。
今春(2022年3月)、
急激なスピードで『円安進展』が起こって久しいですが、
私自身、短期間で、状況が好転することには否定的です。
しかし、
それは間違っても『日本円』がこのまま衰退してしまい、
『存在感』が失われていく事を望むものではありません。
『日本円』に限らず、
世界経済がこれからも秩序を保って運営されていく上で、
各国が、自国通貨を保有し、独立性を保つことは最重要。
ご存知の通り、
凡ゆる分野に共通して、市場が独占・寡占されることは、
遅かれ早かれ、『望ましくない状況』を招くことになる。
もし仮に、
地球上の『法定通貨』が、1つに統一されてたとしたら、
発行権を保有する国家が、経済面で『世界征服』します。
商品・サービス同様、
『法定通貨』という、経済の根幹を担う対象についても、
やはり、市場原理が働くことでその機能が正常化します。
先ほど、
独占・寡占は望ましくないと述べましたが、それ以外も、
他国通貨が、自国経済を席巻する状況も避けるべきです。
それが行われると、
物理的に『独立』しているように見える国家においても、
現実的には、『経済占領』されている状況が成立します。
このように表現すると、
多くの日本人は『そんなことあるの??』と考えますが、
そのような国家は途上国中心に想像以上に多くあります。
例えば、
昨年の記事で、南米にあるエルサルバドルという国家が、
某暗号資産を『法定通貨』に採用したとご紹介しました。
勿論、
国家中枢も、そのボラティリティは理解していましたが、
経済占領されているが故、苦渋の決断からの決定でした。
*エルサルバドルの自国通貨『コロン』は事実上廃止で、
国内経済はほぼ100%『米ドル』で決済されていた。
同様の状況ながら、『カンボジア』は光が差し込みます。
何故なら、
CBCD:中央銀行が発行するデジタル通貨『バコン』を、
構想4年という期間でスピード新設・導入したからです。
新規導入の理由は、
1つは、自国経済を『米ドル優位』に進む現状を打破し、
自国通貨である『リエル』の復権と地位向上させるため。
原則として、
『バコン』を利用する際、米ドル・リエルの識別はなく、
等価交換として扱われる為、決済量の向上が見込めます。
実際、
『バコン』導入後、裏付けが『リエル』である取引額は、
『バコン』全体の取引総量の25%を占めると言います。
約10年前、
カンボジアを訪れた際、彼から見て『外人』である私は、
決済の場面では、例外なく『米ドル』を求められました。
もしかすれば、
現地人同士のやり取りは『リエル』が用いられた同国も、
外国人の観点では、完全に『ドル支配』されていました。
話を戻すと、
カンボジアが『バコン』を導入した、もう1つの理由に、
デジタル人民元の影響を回避する目的も大きくあります。
歴史的に見ても、
カンボジア・中国の両国は『戦火』を交えた事実もあり、
『シェム・リアップ(*)』の語源として残っています。
*アンコールワット遺跡群のあるカンボジアの主要都市。
シェム(中国)リアップ(押し上げた地)という意味。
直近、中国政府も『CBCD』普及促進に努めていますが、
影響力が及ぶ前、カンボジア政府が先手を打った形です。
また、
東南アジアには、カンボジアと同じ状況にある国も多く、
周辺諸国(ベトナム等)が追随する可能性も大いにある。
果たして、
『暗号資産』を含めるかは議論が別れるポイントですが、
通貨を巡る『覇権争い』は、これからも続いていきます。
切り離せない要点なので、今後も注視していきましょう。
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