今日のテーマは、『堅調を維持する米国経済に、潜むリスクを知っていますか??』です。
『新型ウイルス』をめぐる問題が、ぶり返しています。
『変異株』の影響がどこまであるのか知りませんが、
活動拠点・大阪も、今月に入り、新規感染者が急増。
遂には、
首都圏・東京のそれ(新規感染者数)を上回ることが常態化し、
今週中にも、『緊急事態宣言』が再発令される事態に突入です。
正直、
当事者(大阪府民)として、政治家の先生方が繰り広げる、
劇場型パフォーマンスは、どうでもええわという感じです。
先日、
非常事態こそ、『極論』を展開してくれと発進しましたが、
何とも歯切れ悪く、中途半端な展開がずっと続いています。
その中で、
経済的にも、精神的にも、疲弊している方々がいる訳ですが、
こちらは上手にマスキングされており、話題に上がりません。
別に、
政治批判をしたり、被害者意識を持つスタンスではないですが、
『見えてくるもの』が増えるにつれて、やるせなさを感じます。
果たして、
『新型ウイルス』が、本当に人類の脅威なのかは疑問ですが、
一刻も早く、『日常生活』が戻ってくることを願っています。
それで、
世界各国連携の『金融緩和』の恩恵もあり、『実体経済』よりも、
一足先に回復を遂げた『株式市場』にも、リスクは潜んでいます。
例えば、
米国市場の代表指標『NYダウ工業株30種平均株価』などは、
コロナ前では成し得なかった『3万ドル』を大幅突破して推移。
ここ数日、
若干の下落傾向にはありますが、それでもまだまだ『堅調』で、
完全回復後の『一段上昇』まで考慮すると、上出来と言えます。
私自身、
10年スパンで仕込んでいたものが『含み益』を抱えていますが、
数年後の展開を想像すると、今から、少しだけワクワクしますね。
ただ、
『堅調』と言える時にこそ、水面下に『リスク』は潜むもので、
歴史的に正しいことは、『2021年』も例外ではありません。
今回は、どのような『リスク』が潜んでいるのでしょうか??
FX(外国為替)取引に興じる方々は、お気付きだと思いますが、
2021年第一四半期、この市場が騒がしい時期がありましたね。
昨年(2020年)末、
『1米ドル=100円付近』を推移していた為替レートが、
突如、円安方向にシフトし『110円台』に突入しました。
現在は若干、
円高方向に戻り『1米ドル=108円』程で取引されますが、
昨年の水準から考えれば、まだまだ『円安水準』と言えます。
これ、ちょっと『違和感』を感じるんですよね??
予め断っておくと、
私自身、『FX取引』に興じている訳ではありませんが、
外貨取引は生活の基本なので、毎日チェックしています。
ご存知の通り、
『為替レート』は、対象通貨間で実質効力の『強弱』を表しますが、
その『理論値』と、現実市場の『取引値』の乖離が拡大しています。
どういうことか??
『理論値』の代表格として『日経均衡為替レート』なるものがあり、
全国展開する某新聞社と、日本経済研究センターが共同算出します。
具体的には、
経済の基礎的条件(政府債務、対外純資産、内外金利差等)を基とし、
回帰分析の手法により、外国為替相場における『理論値』を算出する。
これが、
2021年における、対象国間(米国と日本)の条件で算出すると、
『1米ドル=94.9円前後』と、現実と乖離した結果になるのです。
前述、
現行取引レートが『1米ドル=108円程』と紹介しましたが、
実に、数字として『13円』割合として『12%』もの差です。
もちろん、
『為替』に限らず、現実世界における、凡ゆる物事に共通して、
『理想』と『現実』の間には、乖離が生じることも理解します。
ただ、背景として『理屈』がある場合は、考慮すべきですね。
例えば、
昨年、日本国も、大幅な(?)財政出動を強いられた結果、
単年度として『100兆円超』もの借金を積み上げました。
しかし、
米国のそれは、国家規模を考慮してもそれどころではなく、今後も、
バイデン政権は、『2兆ドル』規模もの追加経済対策を見込みます。
また、
『新型ウイルス』に関係なく、恒常的な『双子の赤字』も抱えており、
『経済循環』が回復することを、手放しで、素直に喜べない状況です。
要は、
個人消費が回復して、米国内に『日常』が戻れば、戻るほど、
輸入増加に伴って、米国の『貿易赤字』も積み上がるのです。
米国経済は、正常時も、『借金体質』が前提条件なのですね。
これが実行できるのは、『基軸通貨特権』の為せる技です。
確かに、
IMF(国際通貨基金)は、2021年における米国・経済成長率を、
『年率6.4%プラス』と、先進諸国間では突出して高く予想します。
ただ、
諸々条件考慮すると、『米ドル』は対外通貨と比較して下げるはずで、
理屈とは逆行した『米ドル高』は、現実世界に『歪』を生んでいます。
実際、
『米ドル建債務』を保有し、その返済負担が高まっている新興国、
ブラジル、トルコ等は、時流に逆行して利上げに踏み切りました。
過去にも、
『理論値』と『現実値』の乖離が大きな場面で調整が起こりますが、
当然、今回も『例外』なく、どこかでそれ(調整)が起こり得ます。
問題は、誰も、『正確なタイミング』を予想できないということ。
『堅調』に見える世界経済ですが、『リスク』を孕んで進みます。
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