今日のテーマは、『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が抱える、中国絡みの悩ましい問題』です。
時間も遅くなってしまったので、少しだけ。
と言っても、やはり余談から入ります(笑)
『新型ウイルス』に関して、本日の大阪新規感染者数は、
『599人』に上り、東京のそれを抜いて全国最多です。
これまで、
過去最高値は『654人』ですから、検査数が未知なものの、
『緊急事態宣言』を終えて、ぶり返していることは事実です。
この状況を受けて、
吉村洋文・大阪府知事は、遅くとも、来週明けを目処として、
『まん延防止等重点措置』適用を国に対して申請すると明言。
何でも、
措置実行下においては、時短要請に応じない事業者は、
『過料』を求めることが、出来るようになるのだとか。
少し、物騒な雰囲気になってきました。
大阪に遅れて、首都圏でも『緊急事態宣言』解除されましたが、
この様子なら、『大阪』の二の舞になる可能性は高いですよね。
しかし、
日本政府としては、今夏の『東京五輪』開催に向けて、
国内の感染状況鎮静化は、海外アピールしたいところ。
もしも、
ここで『緊急事態宣言』を再スタートさせることがあれば、
いよいよ『東京五輪中止』という決断もちらついて来ます。
行くも地獄、帰るも地獄。
非常に、『悩ましい局面』に入って来ました。
という『前振り』をして、『本題』に入りたいと思います。
前述の通り、
『新型ウイルス』に関しても、悩ましい局面を迎える日本ですが、
『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』も同様の思いです。
もちろん、その『理由』は異なりますが。
発端となったのは、
『FTSEラッセル』が、今秋10月から、世界的な債券ベンチマーク、
世界国債インデックス(WGBI)への中国国債組入れを公表したこと。
現時点、
ポートフォリオ全体の外債比率目標を『25%』とするGPIFも、
ベンチマークの変更に伴い『中国債』の購入検討を迫られます。
しかし、
皆さんご存知のとおり、日中関係は決して『善い』とは言えず、
『中国国債』の組入問題は、決して単純な議論ではありません。
因みに、
米国10年債が約1年ぶりの高値圏(1.7%程)に返り咲く中、
中国新発10年債の利回りは、それを大きく凌駕する『3%台』。
もちろん、
基軸通貨『米ドル』に対する、為替リスクも孕んでいますが、
それを差っ引いても、余りある『高利回り』が期待できます。
事実、
香港市場を通じて、日本の個人投資家も購入可能になりましたが、
直近4年間、中国債取引は2ヶ月を除いて『買い越し』ています。
世界規模で『超低金利』が続く時代、リスクを考慮しても、
それだけ、同資産(中国国債)が魅力的だということです。
しかし、
前述の通り、単純に『投資的観点』だけでなく、
その購入には『政治的観点』が密接に絡みます。
もしかしたら、
特に、年配の高齢者層の方々は、自らの『年金原資』が、
『中国』に投資されることを嫌う人もいらっしゃるかも。
ただ、
この世界的な潮流(債権ベンチマークへの中国債組入れ)の中、
明から様に、日本が債権購入しないと日中関係は冷え込みます。
さらに、
前述の通り、年率として『3%台』の運用利率を誇る資産を外し、
世界債権ベンチマークと同等の成績を上げることは至難の技です。
FTSEラッセルは、
今秋から36ヶ月(3年間)で、中国債を段階的に組み入れて、
最終的なウェートは『約5.25%』にのぼると公表しています。
個人的には、相当高いと感じていますね。
そして、
我らが『GPIF』の外債ポートフォリオ:パッシブ運用部分は、
現在、金額ベースとして『16兆円』前後を推移しています。
ジャンク債ではなく、ある程度の『信用』を持つ債権として、
『中国債』を組み入れず、目標達成するのは、正直に厳しい。
また、
もしも、今後『中国国内』でリスクが顕在化するような時、
部外者の日本が得られる情報量を不安視する声もあります。
まさに、日本政府に『決断の時』が迫っています。
『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)』
私たちの生活に、『短期視点』で直結はしていませんが、
日本国の『年金制度』に関わるので関心は持ちましょう。
ただ、
将来的に、私たちが『年金』を無事に受給できるかどうかは、
『ポートフォリオ』云々に関わらず、別問題が存在しますが。
それでも、『無関心』が1番の罪だと感じています。
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