今日のテーマは、『GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)運用損失2兆円は、問題の本質か??』です。
一週間ほど前、
年金運用のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、
2022年、第4四半期の運用成績をリポートしました。
それによると、
10月ー12月期成績は『1兆8530億円』の赤字で、
昨年は4四半期連続でマイナス運用を記録したとのこと。
12月時点、運用資産総額は『189兆9362億円』。
2021年度末、
2022年3月時点のそれが『196.6兆円』ですから、
1年未満で、約7兆円をマイナス計上した事になります。
単純な数字としてみても、決して無視できない金額です。
しかし、
誤解を恐れずに言うならば、その約7兆円という金額も、
GPIFの運用成績マイナスも、大したことではありません。
むしろ、
通年、4四半期連続赤字は、20年ぶりの出来事らしく、
運用の世界に身を置く者として、それ自体は驚異的な事。
日本が抱える年金問題の『本質』は異なる点にあります。
以前から、
公式ブログでは、定期的に繰り返しお伝えしていますが、
それ(年金制度)には『構造的問題』が存在しています。
同様のケースとして、企業経営を例に考えてみましょう。
仮に、
一事業年度を通じたキャッシュ・フローがマイナス計上、
つまり、『赤字経営』に陥っている会社があるとします。
単純に『売上総額』から『事業コスト』を差し引いた時、
後者が上回るため、『お金』が残らない状態なんですね。
*会計上ではなく実質的な『赤字経営』とお考え下さい。
しかし、
単年度として、『赤字経営』に陥っているからといって、
この会社が今直ぐ潰れる(倒産する)ことはありません。
何故なら、
過去の遺産として『内部留保』を十分積み上げている為、
暫くの期間であれば『赤字経営』を補填できるからです。
もちろん、
現況(事業年度で見た際の赤字経営)は危機的である為、
経営問題を解決するにはそれを解消しなければならない。
ただ、
Xデー(経営破綻を迎える日)は将来的に訪れるものの、
それが『今』ではない為、危機感を実感出来ずにいます。
全く同じことが日本の『年金問題』にも当て嵌まります。
確かに、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用成績は、
良いに越したことはありませんが、正直あまり関係ない。
まして、
『鯨』とも形容される世界一大きな規模の年金基金では、
どれだけ頑張っても、運用資産を2倍になど出来ません。
繰り返しますが、
年金問題の『本質』はそこ(年金基金の運用)には無い。
『いずれ』と言っても想像より近い将来訪れるであろう、
『Xデー』に対して、個々人で対策することが必要です。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太