今日のテーマは、『テック系企業が牽引する現在の上昇相場は、30年前に起きた出来事の再来か』です。
完全に内々の話ですが、個人的なノルマとして、公式ブログを通じた情報発信は平日を中心に週3回ペースを予定しています。
先週も週半ばまでに2記事をアップして順調に進んでいましたが、イレギュラーに対応しなければいけない事案が立て続けに発生してそのまま終了。
思いがけず、更新が一週間ほど開いてしまいました。
ただ、私がストップしていた期間も、相変わらずマーケットは堅調そのもの。
連休明けの日本市場は午後に入り下げに転じていますが、記事を執筆している13:00時点で日経平均は5万2000円台をキープしており、歴史的に見て最高水準を維持しています。
日経平均株価の話を続けると、先月末時点、年始からの上昇幅は1万2000円を突破しており、10月単月だけで7000円超も上昇していることになりますから驚異的です。
大きな理由はやはり米国で、アップル、アマゾン等のテック系リーディング・カンパニーが好業績を連発しており、今後しばらくは経済全体が上昇するであろう期待感が日本市場にも波及しています。
また、AI(人工知能)関連産業は未来を変えるポテンシャルを秘めた技術として世界から注目されていますが、そこから広く派生した関連銘柄も含めて、市場には莫大な投資マネーが流れ込んでいます。
実際、全体として上昇中の東京(日本)市場も、特に半導体銘柄を中心に買いが殺到しており、相場全体に対する影響力を強めつつあるそれらの企業が牽引する形で値を上げています。
一見すると雲一つない快晴に思えてしまいますが、果たして、今回の宴は永遠に続くのでしょうか。
恐らく、コア読者の方々は理解して頂いていると思いますが、1、2ヶ月ほど前から、私は今の相場がバブルだと予見していると繰り返し発信して来ました。
直近、過去30年間のNYダウ平均株価の推移を追う機会に恵まれましたが、約7800営業日、一日一日の終値をつぶさに見ていくと、現在が30年前と酷似した状況にあることに気付きます。
ここで、30年前(1990年代後半)と言われて、どれほどの人たちが具体的なイメージを持つことが出来るでしょうか。
当時は、アジア通貨危機に端を発して世界全体を信用不安が覆い、さらに連続してロシア危機が起きたことにより、それまでの長期成長から一転、世界経済は低迷期に突入していました。
それを収束させるため実行されたのが金融緩和策ですが、それにより溢れ出た投資マネーは次なる優良な働き先を見つけるべく、モンスターが如く世界中を駆け回っている状態。
そこにインターネット革命が起きたことで、当時の規模として莫大な投資マネーがテクノロジー関連銘柄に殺到したのです。
玉石混交、IT関連銘柄というだけで中身を十分に精査されないまま凡ゆる企業の株が買い込まれてバブルが発生し、その後は新世紀(2001年〜)の到来とともに崩壊したという歴史があります。
確かに、インターネットという技術は私たちの生活を劇的に変化させましたが、そのプロセスにおいて、生み出された価値に匹敵するかそれ以上の資金が吹き飛んだということも忘れてはなりません。
時を経て、現代ではそれがAI(人工知能)に置き換えられているとの見立てですが、果たして間違っているのでしょうか。
インターネット技術と同様、AI(人工知能)が未来・私たちの生活を劇的に変化させることに疑う余地はありませんが、こと現在の株式相場においてはバブル形成の元凶になっていると想像します。
上昇圧力が底堅い状況で早めに降りる行動は勇気を要しますが、用心深さと潮流変化に気づく敏感さは、長期に生き残る投資家にとって必要不可欠な能力であると考えています。
井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太


	        	        		
	        	        		
	        	        		
	        	        		
	        	        		
	        	        		
	        	        		
	        	        		


