今日のテーマは、『日本国内でリタイアメント・インカムを構築することは可能なのか』です。
これまで、
一般的に、大多数の日本人は『投資』に対して後向きで、
世界基準で見たとき不得手な国民性と評されてきました。
実際、
1990年以降のバブル崩壊で『痛み』を経験して以来、
直近35年間は全体の投資意欲も過去最低レベルに低迷。
それは、
国民保有資産が総額2000兆円を超えるにも関わらず、
過半(1000兆円超)を現金保有する事実が示します。
しかし、
日本国民の『投資』に対する重苦しいイメージを一層し、
大きな潮流変化が起こる可能性が2024年はあります。
その証拠に、
新年がスタートして、未だ僅か2週間ほどのことですが、
楽天証券の新規口座開設件数は例年の3倍速なのだとか。
この上昇圧力を生み出す要因は、果たして何でしょうか。
恐らく、
ご存知の方も多いと思いますが、上昇圧力の最大要因は、
2024年から制度を一新させている『新型NISA』です。
制度の詳細は解説サイトが無数にある為、他に譲ります。
ここでは、タイトルにある通り、新型NISAを利用して、
『リタイアメント・インカム』が形成可能か検討します。
それでも、
少しだけ制度概要を整理すると、新型NISAは2段構成で、
『つみたて投資枠』と『成長投資枠』に分類されている。
年間投資上限額は、
前者が120万円、後者は240万円に設定されており、
両者を合わせて、最大で年間360万円が拠出可能です。
また、
生涯投資枠は『最大1800万円』で設定されている為、
最速の場合、5年間で投資枠を使い切ることが出来ます。
ここで、
一般的な方々が長期的な資産形成を目的に活用する場合、
主戦場とするフィールドは当然『つみたて投資枠』です。
こちらは、
昨年まで存在した『つみたてNISA』を引き継いでおり、
投資対象となるファンドやその選定基準もまったく同じ。
さらに、
投資選択の約9割をインデックスファンドが占めており、
どのファンドを選択しても、大きなハズレはありません。
ただし、
つみたて投資枠は前述の通り『年間120万円』なので、
生涯投資枠を使い切るには15年が掛かってしまいます。
現時点、
保有資産が少ない方々はそれでも良いかも知れませんが、
潤沢な現金を保有する方々には、大きなタイムロスです。
そこで、
意外に周知されていませんが、本来は個別銘柄が主体の、
成長投資枠を活用して積立型ファンドを購入するのです。
確認すると、
つみたて投資枠の選択肢であるインデックスファンドは、
大半が『成長投資枠』でも購入可能なことが分かります。
仮に、
価格変動リスクも考慮して10年掛けて投入した資産が、
長期的な平均値として『年率8%』で運用されたとする。
その場合、
拠出完了から10年後、つまり積立開始から20年後が、
経過した際の資産総額は『約4000万円』になります。
これは、
次の10年間(平均8%運用)ではさらに2倍に増加し、
スタートから35年後には『1億円』を射程圏に捉える。
もしも、
人生の比較的早い段階、30歳でスタートを切れたなら、
65歳を迎える頃には、前述スキームが完成を迎えます。
もちろん、
今後もインフレ(貨幣価値の減少)は続くでしょうから、
将来の1億円が持つ意味は、今と同等ではありませんが。
それでも、
『セミリタイア』を実現する規模の資産ではないにせよ、
『リタイアメント・インカム』の足しにはなるでしょう。
このように、日本国内で資産形成を完結することは可能。
ただし、前提条件の『貨幣制度』が変更なければという、
リスクを拭い去れないことが、1点だけ気掛かりですが。
何れにせよ何もしないより遥かにマシなことは確実です。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太