今日のテーマは、『ベストセラー:三千円の使い方が示す、大半の日本人が陥る惨状』です。
2022年末、
どのような経緯で、その存在を知ったのか忘れましたが、
『三千円の使い方』なる本を読破しながら過ごしました。
恐らく、
ご存知の方もいると思いますが、作家・原田ひ香さん著、
累計発行部数70万部を突破した、大ベストセラーです。
この辺り、
もはや宗教法人と化した自己啓発セミナー講師が書いた、
信者からの集金目的に出版された本とは一線を画します。
もちろん、
『偽り』の部数を伸ばす為キャンペーンを行うでもなく、
純粋に、世間から『面白い』と評価されて売られた書籍。
裏面を見れば、
『2021年8月25日』に初版発行を迎えたのに対し、
『2022年11月20日』付で20刷を達成している。
出版業界に関わる方であれば、凄まじさが理解できます。
本題に入ると、
書籍で展開されるのは、主人公:御厨美帆を中心とした、
親子3代に渡る、其々の『お金』にまつわるストーリー。
余談ですが、
デフォルメされるものの、現在、ドラマも放映中のため、
興味を持たれた方は、ご覧になられると良いと思います。
それで、
前述の通り、累計70万部超のベストセラーたる所以は、
登場人物に対して世間が強く『共感』しているからです。
しかし、
経済的に豊かなクライアントさんをお相手する身として、
主となる登場人物4名、全員、経済的に終焉しています。
恐らく、
描かれる人物は、日本人の平均値(中央値)でしょうが、
少しだけ、経済的背景を整理させて頂くのでご覧下さい。
・御厨美帆:20代・会社員、保有金融資産:30万円、
中古物件購入のため、貯金1000万円達成を目指す。
・御厨真帆:美帆の姉で、アラサーの主婦。夫は公務員。
世帯年収500万円未達ながら、貯金600万円達成。
・御厨智子:美帆・真帆の母親。50代後半の専業主婦。
貯金は100万円未満で、常に経済的不安が付き纏う。
・御厨琴子:美帆・真帆の祖母。現在70代で年金生活。
保有資産は約1000万円。労働に対して意欲は高い。
こんな感じです。
結論から言うと、先ほどお伝えした通り、登場人物4名、
全員の経済状態が壊滅していると評価せざるを得ません。
主人公:美帆は、20代・独身の会社員にはありがちな、
毎月支給される給与を、何も考えずに使い切る浪費体質。
この中では、
姉・真帆が、最も優秀(マシ?)に見えてしまいますが、
子どもの教育関連費の捻出には、大いに不安を感じます。
間違っても、
『4年制大学』への進学は厳しいでしょうし、もし仮に、
子供が進学希望の場合、負債を抱えさせること必至です。
さらに、
母・智子は、描かれている登場人物の中で、最もヤバく、
夫の退職金を死守して、細々生活を送るしかありません。
また、
祖母・琴子は、母・智子の次にヤバい存在と考えていて、
健康体であることと、労働意欲があることのみ救いです。
このように、
主となる登場人物4名に共通するのが、何かの手違いで、
1つでも歯車が狂えば、即刻、終焉する人生を送ります。
さらに、
自らの『経済的惨状』を、誰も、正しく認識しておらず、
まったく『危機感』なく、日常生活を送っているのです。
『リスク』は把握しなければ、対策しようがありません。
そして、
ご紹介した登場人物4名のように、年代の違いはあれど、
日本全国で、多くの方々が『綱渡り生活』を送っている。
果たして、あなたは状況を理解しているでしょうか??
その昔、
経営の神様・松下幸之助さんが、代理店経営者に対して、
余裕ある企業経営の極意を伝えた有名な言葉があります。
『何とかしようと思わなければ、何ともなりまへんなあ』
個人レベルの『経済状態』を引き上げることに関しても、
最終的には、自らの『覚悟』次第で決まると実感します。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太
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