今日のテーマは、『日本という国家は、経済的観点で持続可能なシステムか??』です。
直近数年間、『SDGs』なる概念が叫ばれはじめました。
正確には、
2015年9月国民サミットで採択されたもののようで、
加盟193ヶ国が2030年達成を目指して掲げた目標。
これまで、
資本主義の名のもと、経済発展が優先されて来ましたが、
そこに、『持続可能性』という概念がもたらされました。
確かに、
テクノロジー発展も手伝い、地球も人類には手狭になり、
資源等の観点でも『有限性』の意識が不可欠な時代です。
『持続可能な発展』という概念に、異論はないでしょう。
それでは、日本は経済的観点で『持続可能』でしょうか。
直近、急速に『円安』が進行するのはご存知の通りです。
9月13日現在、
対米ドルとしては『144円』付近を推移していますが、
年末には『160円』に達する悲観シナリオもあります。
もちろん、
2022年内、国内外で重要なイベントも控えている為、
この予想が、そのまま実現するのかは未知数なのですが。
それでも、
仮に、上記水準(160円)かそれ以上円安進行しても、
日本からすれば『いつか来た道』に変わりはありません。
僅か(?)半世紀前は、
固定レート(1ドル=360円)の時代が存在した訳で、
私たちが知る為替水準は、たかだか数十年間だけのもの。
そう考えると、
日本国民の大半がイメージする『まさか』の出来事など、
それほど生起確率が低いものではないのかも知れません。
話を戻すと、
現在、私達が『円安』と感じる為替水準が、表面的理由、
『金利差縮小』により解決しないことは既に述べました。
実際、
世界的に投資の神様と認識されるジム・ロジャーズ氏は、
日本経済に対して『よくここまで保ったな』と評します。
それ程、
『日本』という国家が抱えている、本質的課題は根深く、
決して、一朝一夕には解決しないことを意味しています。
即座に挙げられるだけで、大きく3つの理由があります。
①金融緩和を継続し、慢性的な自国通貨安へと導く政策。
過去にも、
公式ブログでは繰り返し述べてきた通り、現在の日本は、
経済の禁じ手、『財政ファイナンス』を発動しています。
これは、
簡単に説明すれば、日本政府が発行している『債務』を、
中央銀行が買い入れて、市場に資金投入するという手法。
勘の良い方は気付かれる通り、そんなことを容認すれば、
政府による『無限ファイナンス』が可能になってしまう。
しかし、
理屈では成立し続けそうな『現代版:錬金術』も、当然、
そう遠くない将来、必ず『終焉』はやって来るはずです。
支払いを命じられる膨張したツケは、想像を絶しますね。
話を続けると、
『自国通貨安』へと導く政策を続けることのメリットは、
数字上、日本市場の『株価』を押し上げる点もあります。
しかし、
それは、あくまで中枢の方々の『成績表』の粉飾目的で、
国民のほぼ100%は『恩恵』に与ることが出来ません。
事実、
アベノミクス発動以来、日本株は確実に上昇しましたが、
皆さんの生活は、比例して豊かになったでしょうか??
この質問に対する回答が、そのまま答えを表しています。
②公共事業を肥大化させて、財政赤字を膨張させること。
ご存知の通り、
現在の与党は『建設業界』を票田として成り立っており、
公共事業の提供は、選挙戦を勝ち切る上で必須項目です。
国家財政を考えれば、
プライマリー・バランスを黒字化することが急務ですが、
誰もそんなことは考えておらず、その実現は夢のまた夢。
恐らく、
ツケを精算する際、先生方は存在しない確率が高いため、
寿命的観点で『時効』の成立を見込んでいるのでしょう。
この意見を、心から否定できる政治家など存在しません。
③人口減少・少子高齢化問題も、具体的な対応策はなし。
こちらも、改めて、ここで述べるまでもないテーマです。
日本国の『出生率』の低さは世界トップクラスの水準で、
国民年齢の中央値は、世界で最も高い年齢に位置します。
これは、
数字上、2100年までの『人口半減』を意味しており、
事象以上に、そこに至るプロセスの悲惨さを物語ります。
何故なら、
現時点ですら、崩壊寸前にも見える『社会保障制度』は、
ここからが、デフォルトに向けた本格稼働を始めるから。
とてもじゃありませんが、『持続可能』とは思えません。
今後、
日本国の悲惨さが、緩やかに(?)顕在化していく過程、
優秀で、選択可能な人たちから、国外脱出が始まります。
そういった現実も、きちんと予測しておく事が大切です。
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