今日のテーマは、『金融都市構想の実現により、日本の世界的プレゼンスは向上するか』です。
昨日6月4日、
政府は、札幌・東京・大阪・福岡の4大都市圏について、
金融・資産形成特区に指定することを正式表明しました。
思い返せば、
金融都市構想2.0が大々的に掲げられたのが2021年、
約3年の時を経てようやくスタートしようとしています。
今後、
各都市圏の特色は具体的に議論されていくと思いますが、
海外業者の誘致や外国人向けの銀行口座開設は共通事項。
シンプルに言えば、
経済特区として金融インフラの整備を進めていくことで、
海外から人・モノ・金を呼び込もうというのが狙いです。
実際、
世界各地に点在している金融センターと呼ばれる都市も、
生存戦略としてそれを展開し、成功例も多数ありますね。
果たして、
政府の思惑どおり、日本の『金融都市構想』も奏功して、
世界的プレゼンスを復活させることができるでしょうか。
この件について、
先ずはポジティブな面にフォーカスしていくと、日本は、
グローバル視点で、地理的な利は確実に存在しています。
実際、
欧米の金融拠点にニューヨーク、ロンドンがありますが、
両者と併せて、地球をきれいに3分割できる位置にある。
また、
両者に先行して、日付変更線を跨ぐことを考慮するなら、
世界的な金融都市として、最も未来を進むのが日本です。
また、
2024年時点、2000兆円超と言われる国民資産も、
海外金融機関サイドから見たとき、魅力に映りますよね。
確かに、
円安の進行により、米ドル換算の数字は減少傾向ですが、
それでも、数字的にはまだまだポテンシャルを秘めます。
しかし、『理屈』と『現実』に乖離が起きるのは世の常。
現実は、そう簡単に好転していかないものと予想します。
理由の一つは、
先ほど触れた2000兆円を超えるとされる国民資産が、
ポテンシャルとして感じるほど大きく動かないという事。
四半世紀前、
金融ビッグバンの際も同じことが考えられていましたが、
日本国民の貯金信仰の厚さは海外金融機関も熟知します。
つまり、
日本国民がどれだけ巨額の資金を保有していたとしても、
動かないのであれば、企業サイドに利がないということ。
もう一つは、
経済特区と言えど、日本政府・金融庁の管轄下に入る為、
将来的なことまでを考慮すると、面倒になりそうなこと。
財政が壊滅的な国家は、想像する以上に信用が低いです。
金融都市構想も『虚像』に終わってしまう可能性は高い。
残念ながら、客観的視点ではそのように判断しています。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太