今日のテーマは、『世界の金融資産の約半分が集中する北米から、私たち日本人が学ぶこと』です。
先日、
ボストン・コンサルティングから公表されたデータでは、
2023年末時点、世界の家計金融資産は前年比7%増、
『275兆米ドル』を突破していることが判明しました。
現行為替レート換算で『4京円』に迫る天文学的なもの。
当然、
この数字は、調査を開始した2000年以降では最大で、
恐らく、それ以前も含めて過去最高値を更新しています。
原則として、
資本主義経済は無限増殖する事が前提条件にありますが、
この調査結果も、それを証明する一つの事実となります。
それでも、
理屈は理解していても、世界の富(金融資産)の総額が、
4京(兆の1万倍)円を突破しているのには驚愕します。
そして、調査結果にはもう一つ驚くべき事実があります。
それは、
前述した約275兆米ドルのうち、約47%に相当する、
『126.5兆米ドル』が北米諸国で保有されていること。
ご存知の通り、
北米諸国と言っても該当は覇権国・米国とカナダのみで、
2カ国合計の総人口は『約3.7億人』しか存在しません。
昨日、
世界の総人口として紹介したのは『約80億人』であり、
先ほどの数字(3.7億人)は全体5%にも達していない。
なぜこれほど極端な『富の集中』が起きるのでしょうか。
理由の一つは、
2024年現在、資本主義経済の覇権国が米国である為、
関連するルールがアメリカ・ファーストで作られること。
善・悪は別として、
米国の国力(経済+軍事力)が将来的に衰える時が来て、
基軸通貨特権が手放されるまでこの状況は変化しません。
ただ、
同じ北米でも、もう一方のカナダはそれに該当しない為、
コントロール不能な要因ばかり嘆いても仕方ありません。
それでは、
彼ら・彼女らと、私たち日本人で相違点は何かと言うと、
成年人口の過半数を占める人々が投資に参加している事。
もちろん、
北米が全て正しい訳でなく、彼らが投資に勤しむ理由は、
インフレ前提の社会で苦肉の策という側面もありますが。
翻って、
急速に投資熱の高まる日本ですが、成人人口1億人の内、
投資家人口は未だ3000万人に未達と言われています。
単純計算、
該当者に占める投資家の割合は30%弱という所ですが、
アクティブな人に限定すればこの数字は更に低下します。
実際の数字を見れば、
新NISA制度のスタートにより熱が高まっていると言えど、
北米に大きく水を開けられているのが現実と分かります。
1990年、
家計金融資産は日本1100兆円、米国1800兆円と、
約2倍の人口を誇る米国と比較しても善戦していました。
しかし、
バブル崩壊の『痛み』に対して怯え続けてしまった結果、
現在、両者の差は10倍に迫る大きなものになっている。
先ずは、バッターボックスに立つ国民総数を増やすこと。
投資することなくして、資産を増やすことは皆目不可能。
先ずは、その当たり前のことを認識することが大切です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太