今日のテーマは、『これからの日本を待ち受けている、悲観論ではない客観的な現実』です。
昨日の公式ブログでは、
『プレゼンス低下の中通貨分散は必須になる』と題して、
好調な経常収支に隠れた見えないリスクを紹介しました。
一見、
年間20兆円規模もの稼ぎがプラス計上されていますが、
少なくとも10兆円ほどは日本国内に還流することなく、
必然、日本円を経由することなく使われてしまっている。
仮に、
日本円の価値を高めるならば、需要の喚起が必要ですが、
現在の状況ではそれが構造的に起こり難くなっています。
ご存知の通り、
円という通貨は、米ドルのような基軸通貨特権を持たず、
ユーロのような巨大ブロック経済圏の統一通貨でもない。
つまり、
日本円の世界的なプレゼンス(存在価値)というものは、
日本経済の力強さに直結して支えられているということ。
しかし、
現実的に見れば、今後の日本経済が再び輝きを取り戻し、
世界に対して強さを発揮するということは考え難いです。
先日、
内閣府により公表された、米ドル換算のGDP速報値では、
2023年のそれはドイツに逆転され世界第4位に転落。
かつて、
日本は、1968年にGNPで旧西ドイツを上回っており、
半世紀ぶりに起きたエポック・メイキングな出来事です。
これに対して、
各メディアは一斉に騒ぎ立てて報道していますが、元々、
昨年末時点で予測は出ていたので、その姿勢は疑問です。
振り返れば、
2010年に中国に2位の座を譲って以来の後退ですが、
残念ながら、今後この流れはより一層加速していきます。
実際、
今から2年後の2026年には、世界最大の人口を誇る、
インドに逆転されて5位転落することが既定路線にある。
その後も、
人口増加と経済成長を遂げるBRICs諸国に抜き去られて、
2050年時点の予測ではトップ10に残れるかどうか。
更に、
ランキングではなく実質的な金額ベースのGDPで見れば、
2070年時点、トップ3とは10倍の開きがあります。
(*2070年のGDPトップ3は中国、米国、インド)
つまり、
世界全体に占める、日本経済が影響を与えられる割合は、
2024年現在と比較して確実に低下していくという事。
これは、決して悲観論ではなく、確実に訪れる現実です。
栄枯盛衰、
20世紀後半の高度成長により栄華を極めた日本経済は、
一旦小休止に入り通貨・円のプレゼンスも低下していく。
この状況で、
保有資産を『日本円』にフルベットするという選択肢は、
決して、賢い判断とは言えないと個人的に考えています。
遠い未来の先見の明は不要ですが、一歩先は読めること。
それくらいの能力は、資産形成を進める上で不可欠です。
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2023年1月より【セミリタイア生活】に入っており、
オープン形式の【資産形成セミナー】の開催は未定です。
*ビジネスに関するお問い合せは、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太