今日のテーマは、『果たして、老後資産問題は2000万円で解決するのか??』です。
この時期にナイーブな話題ですが、東京に滞在しています。
どうしても必要な、クライアントさんフォローがあった為。
もちろん、外出するのは『最低限の仕事』のみに徹底して、
不要な感染リスクを負わないよう、細心の注意を払います。
東京などの第1グループに続いて、活動拠点・大阪はじめ、
第2グループも、第6波蔓延防止措置がスタートしました。
もともと、
凡ゆる感染症リスクが急増する時期、収束は叶わなくとも、
今回の『自粛生活』が、ラストになることを切に願います。
直近2年間、
日本だけでなく、世界全体として経済循環が減速した事で、
間違いなく、地球上で創造された『価値』は減少しました。
確かに、
世界各国が協力して『金融緩和』を推し進めたことにより、
数字は押し上げられて、大富豪らの保有資産は増大します。
しかし、
恩恵には与ることができない、人類の9割を超える方々は、
『収入』と『雇用』の両面で、苦境に立たされていますね。
中には、
経済的体力(内部留保)のある巨大企業に所属することで、
両面(収入・雇用)に影響を受けない方々もいるでしょう。
ただし、
それは、社会全体で見たとき『極一部』に限られたもので、
決して、それを以って『民意』を反映していると思えない。
何故か、
行政は、特定業種のみに『高待遇』を繰り返していますが、
原則として、日本全体総じて『収入』は落ちているのです。
それは、先日政府より公表されたデータにも表れています。
厚生労働省は、2022年度:公的年金支給額を公表して、
前年度(2021年度)比較で『0.4%』引き下げました。
これにより、
国民年金(老齢基礎年金部分)満額は『6万4816円』、
モデル世帯の月額支給は『21万9593円』になります。
2022年現在、
ダイバーシティが叫ばれ、結婚が一律の価値観でない時代、
そもそも『モデル世帯』の概念すら怪しいものがあります。
ここでは、
世帯主(夫:厚生年金)、配偶者(妻:国民年金)なので、
結婚したら、妻が主婦になるという、ブレない昭和モデル。
果たして、私たち世代に当てはまるか、相当怪しいですが、
ツッコミ始めたら際限ないので、スルーして話を進めます。
来年度、
何故、年金支給額が減額したかと言うと、冒頭に展開した、
新型コロナ・感染拡大に伴い、社会の収入が減少したから。
ご存知の通り、
公的年金の支給額は、直近1年間の『物価変動率』に加え、
過去3年間の『賃金変動率』に基づき、毎年度改定します。
先日、
総務省が公表した物価変動率は『0.2%』の下落でしたが、
賃金変動率はそれ(物価下落)を上回り、マイナス0.4%。
結果、
下落率の大きな『マイナス0.4%』が採用される事となり、
前述の通り、年金支給額に影響を及ぼしたという次第です。
私自身、
オープン開催の資産形成セミナーはワークシートを用いて、
参加者ご本人に、自らの『お金』と向き合って頂いてます。
その過程、『年金受給額』を計算する箇所があるのですが、
厚労省から公表される受給年金額の平均値は、減少の一途。
人口減少に伴い、労働人口が減るにつれて、減少確定です。
今から約2年前、
金融庁・ワーキンググループが試算し、話題になったのは、
老後資産として退職時に『2000万円』必要というもの。
これが、いわゆる『老後資産2000万円問題』ですよね。
この計算ロジックは、思いのほかシンプルに説明可能です。
月額生活コストの26万円に対し、年金受給は22万円で、
『年金ギャップ』なるものが、『月額5万円』存在すると。
単純計算、
年間(12ヶ月)でのそれ(ギャップ)は『60万円』で、
平均余命:約30年を乗すると『2000万円』に達する。
わずか2フレーズなので、迷子になるところが無いですね。
しかし、
理論上は、シンプルに説明される『2000万円問題』も、
薄々お察しの通り、その金額では、完全解決に至りません。
繰り返しますが、『年金受給額』は年々減少してるのです。
もちろん、来年度以降も、毎年『改定』が実行されますが、
現在の日本の状況で、間違っても『増額』はないでしょう。
つまり、
先ほど紹介した『年金ギャップ』は、『受給年金』という、
1つのパラメータ(変数)の観点で見ても拡大してしまう。
加えて、
生活コストの増大も、年金受給額の減少と同様に必然です。
何故か、
日本政府は、デフレ(若しくは物価減少)を喧伝しますが、
私からすれば、全世界共通してベースは『インフレ』です。
貨幣価値が『増加』に転じた局面など、ない筈なのですが。
恐らく、『平均年収減少』を、嘘でマスキングしています。
話を戻すと、
この観点で考えても、『年金ギャップ』は拡大するはずで、
必然、『老後資金:退職時必要になる資金』は増加します。
私見では、概算したとして『5000万円』程でしょうか。
老後資産は、決して『2000万円』何かで解決しません。
それは、途中経過(政府統計)を見ても今から明らかです。
それを十分理解して、粛々と『資産形成』に励みましょう。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太