今日のテーマは、『果たして、私たちは投資依存症を克服する必要があるのだろうか』です。
昨日の公式ブログでは、
『巨人同士の殴り合いの介入に勝機はあるか』と題して、
個人が足を踏み入れるべきではない領域を紹介しました。
もちろん、
金融の世界に身を置く人間として、あらゆる投資行動が、
極論すべてギャンブルの域にあることも理解しています。
しかし、
同じフィールドにおいても、選択する投資戦略によって、
大きな幅で期待値が変動することは紛れもない事実です。
悲しき哉、
一般の方の大半が投資の言葉で連想する短期トレードは、
期待値がゼロ(*)に収斂していく敗者のゲームですが。
(*若しくはマイナス。つまり、損をするということ。)
先日、
著名な某・経済学者の先生が、熱狂に沸く日本において、
国民は投資依存症にあると指摘する記事を目にしました。
今年に入り、
新NISAがスタートしたことも手伝い、巷には情報が溢れ、
投資熱が最高潮にあることは以前にも触れたとおりです。
しかし、
前述の先生の主張では、政府や金融機関の煽りに負けず、
地に足を着けた経済感覚を身につける方が重要なのだと。
また、
大半の日本人に必要なのは過度なリスクテイクではなく、
現金保有や物価連動債で資産を保全する行動と言います。
頭ごなしに否定する気は更々なく、これは一理あります。
何故なら、
冒頭で紹介した通り、多くの方々が選択する投資行動は、
期待値がゼロ、若しくはマイナスの敗者のゲームだから。
当然、
毀損するくらいなら、現金や物価連動債を保有する方が、
資産を構築するという観点でも有効に機能するからです。
また、
金融資産として1億円超を実現し、相続人がいない場合、
一生涯で自ら資産を使い切るケースでも得策でしょうか。
ただ、
金融資産が1億円未達の場合や、家庭を築いて子を持ち、
資産を代々受け継ぐケースでやはり投資行動は必要です。
実際、
10年を超える中長期スパンで見たときに、投資行動が、
現金や物価連動債を上回ることは歴史が証明しています。
また、
個人的には、海外諸国並の高インフレ社会が到来した際、
過去にデフォルト(債務不履行)を起こした日本国債が、
本当に有効に機能するものか懐疑的な見方もしています。
投資に限らず、
私たちの人生は、常に決断の積み重ねで構成されており、
どのような選択をしたとしても、必ずリスクは伴います。
それを踏まえた上で私たちはどのような選択をすべきか。
極論、
ダーチャ(*)での自給自足に近い生き方も出来ますが、
私たちの大半が、文明の中で生きることも事実ですから。
(*菜園付き住宅。ロシア危機の際は有効に機能した。)
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太