今日のテーマは、『中国マーケットに漂っている過熱感は、新たなバブル相場の始まりか』です。
先日の公式ブログでは、
『中国も潜在的には大きな爆弾を抱えている』と題して、
地方政府が抱える莫大な隠れ負債について紹介しました。
中国恒大危機以降、
それまで主要財源だった土地使用料の売却収入は減少し、
総額14兆元規模もの簿外債務が存在すると言われます。
日本円換算300兆円に迫りますから相当巨額ですよね。
ご存知の通り、
中国恒大に端を発する不動産リスクは棚上げ状態にあり、
根本的な解決は、未だその『兆し』すら見えて来ません。
必然、
先に触れた土地使用権の売却収入は従来の水準に戻らず、
地方政府の難局は、今後もしばらく継続する見込みです。
遂には、
財務省が10兆元規模に上る支援をするまでに発展して、
早期解決する方法を模索する事態に追い込まれています。
このように、
潜在的に、決して小さくないリスクを抱える中国ですが、
相反して、中国マーケットは過熱感が漂い始めています。
確かに、
約1ヶ月前の相場全体の上昇は落ち着きを見せるものの、
上海・深圳両取引所の売買代金は連日2兆元で高位推移。
日本円で40兆円を突破し、過去最長を更新しています。
また、
代表指数CSI300指数は減速して停滞期にあるものの、
市場全体としてはレバレッジ・ポジションが急激に上昇。
直近では、
中国マーケット全体の信用取引残高が、2015年以来、
バブル景気に沸いた直前の水準にまで上昇して来ました。
更に、
家計貯蓄は10月単月で約5700億元も減少しており、
資金が投資マーケットに流入した可能性を示しています。
過去を振り返れば、
アーリー・アダプターが不動産市場のイカサマに気付き、
金融危機が現実に顕在化するまで4ー5年を要しました。
(*2007ー08年のサブプライム危機を指します。)
その間、
理屈に反して、マーケットは上昇し続けていましたから、
事実は小説より奇なりの格言は、いつの世も成立します。
当然ながら、暴落前には数年を跨いでの熱狂が必ずある。
中国で高まる過熱感は、その始まりなのかも知れません。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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代表 井上耕太