今日のテーマは、『新NISAの売買動向に垣間みる、多くの人々が資産形成で成功しない理由』です。
いよいよ、2024年も残り数時間となって来ましたね。
必然、これを以って公式ブログも年内最終更新とします。
今年、
資産形成の観点で最も大きな変化として挙げられるのは、
従来制度を大幅に刷新して新NISAがスタートしたこと。
これにより、
口座開設の時期、無税運用できる期間の恒久化に加えて、
つみたて投資枠年120万円、成長投資枠年240万円、
累計1800万円と拠出資金が大きく拡大されています。
正直、
経済的自由を目標に置くケースでは十分ではないものの、
老後資金の『足し』という観点では、十分に活用が可能。
仮に、
限度額(1800万円)を拠出して20年間運用すれば、
4〜5000万円規模の資産を構築できる可能性はある。
一般の方々にとって、現実的な目標となり得る数字です。
話を戻すと、
新制度スタートと並行して、市場が上昇したこともあり、
サブプライム・ショックが弾けて以降は冷え込んでいた、
日本人全体の投資熱も久しぶりの再燃が見られています。
日本証券業協会の公表では、
今年1ー9月、大手10社の口座開設数は300万件超、
対前年比でほぼ2倍と記録的なペースで進行しています。
また、
ファンド(投資信託)に限定した資金流入金額を見ても、
1ー11月の累計で『約26兆円』規模にも達しており、
2007年に次いで過去2番目に高い数字となりました。
もちろん、
日本人が保有する現預金全体から見ればまだ微力ですが、
貯蓄から投資へ、確実に地殻変動が起きはじめています。
(*日本人の現預金は1000兆円超あると言われる。)
しかし、一方で個人的に気になっている数字もあります。
それは、
先ほど触れた、投資信託への新規流入26兆円に対して、
相対する動き、流出も13.6兆円規模起こっていること。
ご存知の通り、
新NISAは今年1月にスタートしたばかりの新制度であり、
後者(資金流出しているファンド13.6兆円)は確実に、
年始以降取得し、1年未満で売却されたことになります。
どのような理由で、そのような判断をしたのでしょうか。
考えられる一つの理由は、生活決済資金を投入したこと。
古今東西、
資産運用(投資)は余剰資金で実行するのが鉄則であり、
会社員(安定収入のある方々)でも、最低ラインとして、
6ヶ月分の生活決済資金は別で確保する必要があります。
もしも、
その基準をクリアせずにリスク資産へ資金投入した場合、
それに対する成功確率はとても低いものになるでしょう。
もう一つの理由は、
購入したファンドの(超)短期的な運用成績だけを見て、
期待に沿わなかった為早々に見切りをつけたというもの。
確かに、
相場全体が上昇していたため理解しないでもないですが、
1年未満の超短期では、何も評価できないのが真実です。
実際、
私自身はもちろん、クライアントさんの面談を通しても、
本気で資産運用に取り組む為のミニマム(最小単位)は、
10年間であることを何度も繰り返しお伝えしています。
恐らく、
普段から勉強をしている方々は当然と感じるでしょうが、
言うは易し行うは難し、理解と出来るは全くの別物です。
資産形成の真理はシンプルで、正解が導き出された今尚、
なぜか成功者の割合は半世紀前とほとんど変わりません。
その事実を謙虚に受け入れることも大切なステップです。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太