今日のテーマは、『ウェルビーイング実現の名目で着手された、年金開始年齢の繰下げ』です。
先週末の公式ブログでは、経済的自由の実現をテーマに、
2日間続けて、その重要ポイントについて紹介しました。
しかし、
少しだけ厳しいことを言えば、それはとても重要ですが、
大半の方々の人生にとっては、あまり関係がありません。
事実、
『経済的自由』を実現できる人の割合は1%未満であり、
99%の人たちにとっては、恐らく今後も夢物語だから。
それは、
国際宇宙ステーションで過ごす際の注意を教えられても、
大半の人たちに意味を為さない情報であるのと同義です。
それでは、
『経済的自由』が無縁だからといって、資産形成自体も、
日本人の多くにとって全くの無関係と言えるでしょうか。
確かに、
人生半ばで『セミリタイア』を実現する人は一部ですが、
すべての人に共通して『資産形成』から逃れられません。
何故なら、
繰り返し紹介してきた通り、既存の社会保障システムは、
これからの時代、機能不全に陥る可能性が高いからです。
先週5月23日、
岸田文雄首相を議長に『経済財政諮問会議』が開催され、
ウェルビーイング社会実現に向けた方策を議論しました。
少しだけ補足すると、
欧米諸国に始まり、日本にも浸透しつつあるその言葉は、
人生において心身が満たされた状態を意味する概念です。
諮問会議の中では、
平均寿命の延長に伴う高齢者定義の見直しも議論されて、
『5歳引き上げること』が最有力候補として挙がります。
ご存知の通り、
政府統計等で高齢者定義は『65歳以上』とされますが、
今後、それが『70歳以上』に訂正される可能性が高い。
もちろん、これは年金問題にも直接的な影響を与えます。
原則、
公的年金は離職後の『高齢者』に支払われるものであり、
定義が変更されれば、こちらの開始年齢も改訂されます。
仮に、
あなたが『60歳』でリタイアすることを予定する場合、
年金受給開始までに『10年間』のブランクが存在する。
当然ですが、
その間(10年間)の生活コストを筆頭とした諸費用は、
自助努力により工面するほか方法はないものと考えます。
また、
無事に『70歳』の受給開始年齢を迎えられたとしても、
公的年金に依存した生活では経済的余裕はありませんが。
もちろん、生涯現役をモットーに頑張ることは結構です。
しかし、
自らの意思とは関係なく、それが出来なくなるリスクも、
適切に評価して対策を講じておく必要があると考えます。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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*井上耕太事務所(代表)michiamokota0421@gmail.com
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太