今日のテーマは、『経済的困窮は、国家も、個人も選択肢を限定する』です。
皆さんもお気付きの通り、
先月(3月)後半から、『良くない円安』が続きます。
もちろん、
紛争地域に匹敵する『苦しみ』などは存在しませんが、
経済的観点で、日本も大きなダメージを受けています。
公式ブログでも、
これまで、繰り返してきた事ですが、少なくとも年内、
『日本円』という通貨にポジティブ要因は見えません。
事実、
直近1ヶ月に限定しても、基軸通貨・米ドルに対して、
日本円は、『約1.4兆円』も売り越されているのです。
市場では、
今夏、対米ドル『130円』突破の公算も強まります。
当然の事ながら、
『錬金術』などは存在しないとされている現実世界で、
勝率高い(そう見える)ギャンブルが、今、あります。
恐らく、次のような素朴な疑問を持つ方もいますよね。
『何故、日本円はここまで弱いのか??』というもの。
実際、
様々な要因が絡み合い、現在の状況が顕在化しますが、
1つの理由は、日米両国の『金利差拡大』があります。
基本的に、
『政策金利』の異なる通貨が、同時に存在している時、
短期的視点では、『高金利通貨』の需要が高まります。
もちろん、
長期的視点では、この『歪み』も調整されるのですが、
タイムラグの一定期間『低金利通貨』は負けるのです。
そこで、
もう1つだけ踏み込むと、次の疑問も生まれて来ます。
『何故、日本国は、政策金利をあげられないのか??』
先日の記事中、
覇権国・米国を筆頭に、欧州はじめ主要先進諸国では、
2022年以降の『利上げ』が規定路線と書きました。
不思議ですよね。
『新型コロナ・ウイルス』に関連した騒動発生の起点、
その後の経過や、物価が上昇する状況は同じはずです。
にも関わらず、
海外諸国が『利上げ』へと舵取りしはじめている現状、
我らが『日本』だけが、逆行する政策を撮り続けます。
ここで、
海外諸国と足並みを揃えて『利上げ』が出来ないのは、
日本国が慢性的に抱えている『借金体質』が理由です。
コロナ前から、
『国家債務』の積み上げを前提に運営された日本国は、
現状、僅かな金利上昇も耐えられない状態に陥ります。
程度を測る上で、
債務の対GDP(国内総生産)比が古くからありますが、
日本のそれは、現時点『250%』を超える水準です。
一般に、
数値が『200%』を超えると、危機的状況と言われ、
約10年前、ギリシャは180%で実質破綻しました。
因みに、
欧州の優等生『ドイツ』や『フランス』は50%程度で、
米国(133%)や英国(108%)と比較しても突出。
数字で示されると、日本の『ヤバさ』が分かりますよね。
仮に、
日本政府が、政策金利の『1%利上げ』を実行したとき、
国債費(この場合は利払い)は『3.7兆円』増額します。
しかし、
悲しき哉、それ(3.7兆円)を捻出する余力などはなく、
覇権国・米国が掲げる『3%』水準は、夢のまた夢です。
『日本円』が直面している構造的円安は、解決しません。
国家も、個人も、その『財政状態』が健全ではなければ、
行動の『選択肢』は限りなく制限され、追い込まれます。
果たして、あなたの『財政状態』は健全でしょうか??
それは、あなたの『精神状態』にも直結すると考えます。
決して、人生において『お金』は全てだと思いませんが、
『無視できない存在』であることも、事実だと考えます。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太