今日のテーマは、『あなたは、日本円:一括投資が抱えるリスクに気付いてますか??』です。
直近、
『日本円』という資産の相対的実力が低下しています。
最も分かり易いのは、
今月に入り基軸通貨(米ドル)に対する為替レートが、
約5年ぶりに『1ドル=116円台』に突入したこと。
日常的に、
外貨取引をしていたり、外貨資産を保有している方は、
恐らく、この辺りには敏感に反応していると思います。
更に踏み込むと、
BIS(国際決済銀行)が公表の実質実効為替レートは、
1972年以来、過去最低水準の『67.55』を記録。
約10年前、
金融危機直後の2010年が『100』前後ですから、
当時と比較して、3割強の価値が引き飛んだ計算です。
言葉の説明を補足すると、
実質実効為替レートは、各国間の貿易量等に基づいて、
各国法定通貨の実質的な価値を計算して算出するもの。
より正確には、
その後、『物価変動』という要因も考慮に入れる事で、
調整された数値を導き出し、最終的に比較しています。
過去、
最も『日本円』の価値が高まっていたのは1995年、
『1米ドル=70円台』を記録していた、超円高時代。
余談ですが、
先日の公式ブログで、私が、日本国内に大戦後で唯一、
『デフレーション』が起こっていたと指摘した頃です。
この時(1995年当時)、
実質実行為替レートは『150』という数値を記録し、
『日本円』の購買能力は、2022年現在の2倍です。
仮に、
この期間、『日本円』として保有資産倍増を達成しても、
単純な数字は2倍でも、実質的な価値はトントンに帰結。
以前から、
投機目的の暗号資産(仮想通貨)保有には否定的ですが、
法定通貨でも、途上国通貨に出資しない理由に全く同じ。
それが、『日本円』において起こっている事になります。
因みに、
基軸通貨『米ドル』が、実質的な金本位制度を廃止した、
ニクソン・ショックが起こったのが『1971年』です。
ぞれ以前、
世界主要国の法定通貨が『固定レート』を維持した時代、
実質実行為替など、殆ど考える必要はありませんでした。
しかし、
歴史的転換点(ニクソン・ショック)の移行期間を経て、
1973年には、『日本円』も変動相場へと突入します。
今回、
2022年1月度の数値として現れた『67.55』とは、
前述の移行期間中、1972年以来の過去最低水準です。
奇しくも、半世紀(50年)ぶりの事象となっています。
それほど、歴史的に『日本円』の価値が弱まっている事。
別件、
先日、日本銀行は『指し値オペ』実施を公表しましたが、
日本の経済指標は、何かとマスキングされ易い環境です。
『公開市場操作』と呼ばれる手法で、金利上昇を抑制し、
10年債を対象とした『無制限に買い入れ』を指します。
確かに、
市場に大きなインパクトを与えることは避けられますが、
その分、『リスク』の実態を見誤る恐れも抱えています。
消炎鎮痛剤で、強制的に発熱を抑制することと同義です。
気付いた時には『致命傷』になる可能性とご理解下さい。
巷では、
石油価格の上昇に目を奪われて、本質が見失われますが、
歴史的な『日本円』の価値下落は、最重要イベントです。
以前からお伝えする通り、
『勝者の戦略』とは、リスク・ヘッジを前提としており、
一発逆転狙いではなく『負けないこと』を最優先します。
それぞれが、『負けない戦略』を考えることが大切です。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
——————————————————————–
*個人面談ご希望の方は、直接お問合せ頂けたら幸いです。
*井上耕太事務所:michiamokota0421@gmail.com
——————————————————————–
井上耕太事務所
代表 井上耕太