今日のテーマは、『リスク分担型企業年金は、年金ライフの救世主となり得るか??』です。
直近、
企業年金制度の分野で、『運用リスク』を労使分担する、
新たな制度が導入され始めているという報道を聞きます。
これまで、
企業年金のシステムは大きく『2つ』に分類されており、
歴史の古い『給付型』と、新参にあたる『拠出型』です。
前者は、
将来の給付額が確定する為、従業員側にメリット大きく、
運用が奮わない場合、企業側に補填の必要がありました。
また、
『確定給付型企業年金』の制度は、主に、20世紀後半、
日本経済がまさに繁栄を極めている時代に作られたもの。
それ故、
想定利回りも『年率4%前後』と現行より高く設定され、
必然、積立不足を補填する企業側の負担も断続的に増大。
実際、
従業員数が『1万人』を超える規模の、大手企業の場合、
年金債務が『1兆円』を超えるケースも、散見されます。
これでは、
どれほど本業が好調で、『利益』を叩き出したとしても、
OB・OGの年金支払いにより、倒産リスクすら抱えます。
そこで、
それを解消する目的で、企業側が積極導入しているのが、
運用リスクを自らと切り離す『確定拠出年金制度』です。
これにより、
企業側は、年金制度に関するリスクを拠出額に限定して、
数字も確定している為、本業に集中することが出来ます。
一方、
将来的な『給付額』に対するリスクは、運用成績により、
従業員側が全て負う為、理解が得られ難いのも特徴です。
それぞれの『正義』で議論しても、話は平行線ですよね。
それら、
両者の不公平感を解消すべく新たに出て来た年金制度が、
タイトルに採用した『リスク分担型企業年金』なるもの。
果たして、年金解決の『救世主』になり得るでしょうか。
先ずは、その新制度の説明文を少しだけ見てみましょう。
・企業が日々運用しつつ、一部運用リスクを従業員が負う。
・金融危機が発生した時ような『リスク』にも備えるため、
あらかじめ企業サイドは多めに運用資金を拠出している。
・想定の範囲を超えて、運用成績が悪化する事があった時、
企業側は不足分を補填せず、給付額を減らして調整する。
・反対に、運用成績が想定した以上に良好であった時には、
従業員側は将来の『給付額』が増える可能性も存在する。
勘の良い方々は、直ぐに、気が付かれるかも知れませんね。
そうです。
表向き『ハイブリッド型』という名目で出て来た新制度も、
本質的には、大きく『確定拠出年金制度』に偏っています。
しかし、
冷静に考えればそれは必然で、新制度導入の最大の理由は、
企業側の『給付型年金リスク』を早期に解消することです。
世間的に、
『拠出年金制度』の従業員リスクは周知されてしまった為、
1クッションとして『リスク分担型』を導入したのが本音。
間違っても、これにより『年金問題』は解決などしません。
自助努力による『資産形成』は、決して避けられない時代。
それを裏付けるサインは、日常的に発信され続けています。
オープン形式(どなたでも参加可能)の主催セミナーを、
対面・オンライン開催ともに、先月から再開しています。
——————————————————————–
■6/28(火)将来のお金の不安が2時間で解決するセミナー@オンライン■
——————————————————————–
*オープンセミナーは予告なく終了の可能性があります。
受講希望される方は、有効活用して頂けたら幸いです。
*個人面談受講を希望される方は、直接ご連絡ください。
*井上耕太事務所(公式)michiamokota0421@gmail.com
井上耕太事務所
代表 井上耕太