今日のテーマは、『6.5億円の赤字に転落した札幌ドームの事例から、私たちが学ぶこと』です。
昨日の公式ブログでは、
『月収100万円プレーヤー誕生はバブルか』と題して、
インバウンド全盛時代の人力車ドリームを紹介しました。
ご存知の通り、
究極のアナログ産業である人力車は、そのシンプルさ故、
引き手の対人能力・接客力により付加価値は青天井です。
今後も、
富裕層を満足させる接客能力を体得した引き手の収入は、
100万円に留まらず上昇していくと予想をしています。
振り返りになりますが、
富裕層は価値があると感じたモノ・サービスに対しては、
糸目を付けず(上限を設けずに)お金を使う特性がある。
反対に、
自らが価値を感じないものには1円も支払いませんから、
有益なお金の使い道を日常的に探しているとも言えます。
この辺りのニュアンスを、勘違いしている人は多いです。
以前、
関東の某自治体が富裕層対象のインバウンド効果を狙い、
400万円ツアーを企画したという報道を目にしました。
しかし、
『海外富裕層はお金を払う』と単純に考えたこの企画は、
顧客サイドの魅力を無視した結果、見事に申し込みゼロ。
元々、
『価値創出』の概念とは対極の存在といえる公務員では、
申し込みがなかった理由は一生分からないと想像します。
同様の事例としては、
日本ハムファイターズの本拠地移転に伴い赤字に転落し、
世間の注目を集める『札幌ドーム』が挙げられますよね。
先週21日、
日本ハム本拠地移転後、初となる株主総会が開催されて、
2024年3月期(昨年度)最終決算が発表されました。
それによると、
最終損益は過去最悪の約6億5100億円の赤字となり、
これは当初の予想(▲約3億円)より2倍以上悪いもの。
当然ながら、
プロ野球が開催されず使用日数が減少したことに加えて、
年間2.5億円と値付けしたネーミング・ライツも売れず。
更には、
2万人規模のイベント対応で需要を喚起した新モードは、
投資額10億円に対して、昨年利用日数はわずか3日間。
自主開催イベントも含まれると言いますから終末期です。
この状況で、
事業としての『札幌ドーム』の運営・存続を楽観視して、
破綻しないとする自称コンサルも存在するので驚愕です。
何でも、
長年積み上げてきた現金(内部留保)が帳簿にもある為、
現状が続いても当面は生き延びることが出来るのだとか。
その説明を聞いた時、正気の沙汰とは思えませんでした。
確かに、
先日公表された決算のような惨状が今年度も継続しても、
内部留保の補填によって、存続することは可能でしょう。
しかし、
皆さんも理解されるとおり、問題の本質はそこではなく、
そもそも赤字体質の改善なくして根本解決はありません。
現時点、
札幌市としての指定管理期間は2027年度までですが、
これは債務超過への転換ポイントとちょうど重なりそう。
それ以降は、
運営コストへの公的資金の投入も示唆されていますから、
最悪の場合、札幌市民の血税で賄われる可能性すらある。
仮に、
どれだけ潤沢な内部留保(現金)を保有していようとも、
キャッシュフローの赤字転換は、将来的な致命傷になる。
大きな組織であれ、個人であれ、その点は共通事項です。
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昨年(2023年)よりセミリタイア生活に入っており、
今後の主催セミナー(オープン形式)の開催は未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太