今日のテーマは、『ロシア・ウクライナ紛争下、日本円を取り巻く奇妙な動き:後編』です。
昨日の公式ブログでは、
『紛争下、日本円を取り巻く奇妙な動き:前編』と題して、
理屈的には成立し得ない、『円安進行』をご紹介しました。
少しだけ振り返ると、
『対外純資産』を世界で最も大きな金額、保有する日本は、
有事の際、最も『安定している』と評価されて良い国です。
何故なら、
『対外純資産』を精算する場面がきた時、円需要は高まり、
世界に存在する通貨の中で、最も求められるであろうから。
前述した『有事』には、
『戦争・紛争』といった、物理的な衝突はもちろんのこと、
サブプライム・ショックのような、経済的危機も含みます。
しかし、
前者(戦争・紛争)に該当する状況が訪れている現時点で、
『日本円』の評価は、先進諸国間で最も低くなっています。
更に、
直近では、『ロシア・ルーブル』に対しても下落しており、
紛争下、経済制裁を受ける当事国にも劣っている評価です。
これは、
単純に、覇権国・米国、欧州が進めようとする金融政策と、
方向性を異にするという理由だけでは、説明ができません。
決して、
一時的な経常収支マイナスだけでは結論付けられませんが、
海外諸国から、日本は『国力低下』と見られているのです。
元々、
エネルギー・食料自給率共、世界的に見ても低率でしたが、
国家としての『根本的課題』が、一気に露呈した格好です。
それでは、
恐らく、多くの方々が気に掛けられている、これから先の、
『日本円』の動向は、どのように推移するでしょうか??
先月末(3月28日)付、
『1米ドル=125円台』への突入が、一旦『底』となり、
現時点、対米ドルは『120円台前半』で推移しています。
当然、
急激な『円安進行』は、国民生活に直接影響を及ぼすため、
政府・中央銀行とも、神経を尖らせながら注視しています。
それでも尚、
残念ながら、今後も『日本円』は劣勢が続くと見られます。
何故なら、
覇権国・米国との対峙を考えたとき、2022年を通して、
日米両国間の『金利差拡大』は、既定路線として進行する。
仮に、
両国間の金利差が『1%』拡大したとき、歴史的に見ても、
『8〜10円』の円安進展が、歴史的事実としてあります。
実際、
米国の政策金利は、今夏『3%』にも到達する予測があり、
実現すれば、日米金利差は、現状より『1%』拡大します。
そうなると、
現時点『1米ドル=124円前後』で推移している為替も、
『130円』の大台突破も、十分に射程圏へと入って来る。
また、
基軸通貨『ドル』だけでなく、東欧の紛争が長期化すれば、
『資源国通貨』に対して、更に分の悪い戦いを強いられる。
現実に、豪ドル・加ドルに対しても急速に下落しています。
悲しき哉、
既に、国民の生活に打撃を与えている『良くない円安』は、
2022年内通して、改善の『兆し』すら見えていません。
私たちも、『長期化』する覚悟で臨んだ方が良さそうです。
日々、アップ・ダウンする市場に、一喜一憂することなく、
精神的にも安定した状態で、『資産形成』を進めましょう。
オープン開催(どなたでも参加可)資産形成セミナーは、
現時点、2022年以降の開催スケジュールが未定です。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太