今日のテーマは、『10年間継続した異次元緩和は、どのような結末を迎えるか??』です。
時間の流れは早いもので、3月が終わろうとしています。
約10年間続いた、
黒田東彦・日銀総裁の任期も、残すところ10日となり、
植田和男・新総裁へとバトンが引き継がれることになる。
4月9日以降、
どのような『時期』、どのような『出来事』を引き金に、
『金融政策の転換』が実行されるかに注目が集まります。
ちょうど1ヶ月前、
2月末に、国会の場で行われた『所信聴取』においては、
新総裁も『金融緩和の継続』との意向を表明しています。
しかし、
これは、黒田・現総裁の任期が残る中での答弁だった為、
多分な忖度が含まれていることは容易に想像がつきます。
間違っても、
現在の金融政策は、未来永劫、継続できるはずなどなく、
近い将来、舵取り(政策転換)が迫られる時が必ず来る。
そもそも、
黒田政権下、10年間も継続された『異次元緩和』自体、
海外先進諸国には例を見ない、壮大な『金融実験』です。
地理的要因も手伝ってか、
東洋のガラパゴス『日本』が発行する債権(国債)には、
海外の投資家は手を出さず、殆どが国内消化されている。
つまり、
前述の『金融実験』がどのような結末を迎えたとしても、
他国の影響を最小限に留め、日本国内で自己完結できる。
その分、思い切った政策展開が出来たのかも知れません。
そもそも、
私が言及するまでもなく『異次元緩和』なる金融政策が、
致命的な毒(副作用)を含むことは指摘されていました。
代表的なものの1つが、
日本国政府が発行した債権(国債)をほぼダイレクトに、
中央銀行(日銀)が引き受けるという財政ファイナンス。
もしも、
このような『錬金術』が、道理的に成り立つのであれば、
そもそも、『財政健全化』など考える必要がありません。
また、
その経済構造ゆえ、物価上昇が目標値をオーバーしても、
『金融緩和の維持』という政策しか取れなくなっている。
さらに、
海外諸国と逆行する金融政策として違和感を覚えるのは、
決して『政策金利を上げられない』というポイントです。
これは、
日銀が市場から購入したものと別に、民間金融機関から、
当座で預け入れられた『日本国債』を保有しているため。
仮に、
国債金利が『1%』上がれば、自らの保有分を差し引き、
利息部分で『年間5兆円』の逆鞘が発生すると言います。
2023年、
欧米諸国が、軒並み『政策金利』を引き上げている最中、
日本だけが、その動きをまったく追随できない理由です。
果たして、
約10年間継続した『異次元緩和』の解決策については、
存在するのかも含めて、誰にも分からないのが実情です。
2023年以降、日本財政は『佳境』を迎える事になる。
爆弾的置き土産を残して、日銀の政権交代が行われます。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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