今日のテーマは、『岸田政権の掲げる資産運用立国は、これからの日本で実現するか??』です。
今年6月、
岸田政権により策定された通称『骨太の方針(*)』は、
日本を『資産運用立国』に導くという宣言を盛り込んだ。
(*正式名称は『経済財政運営と改革の基本方針』。)
日本政府は、
貿易立国、技術立国、観光立国に次ぐ4本目の柱として、
将来的に日本の『骨幹産業』へと育てていきたい考えだ。
元々、
現時点の国民資産は『2000兆円超』と言われており、
そのうち半分以上に当る『1000兆円超』が現金保有。
数字だけ見れば、ポテンシャル(潜在能力)的には十分。
20世紀の中国ではないが、眠れる獅子が目を覚まして、
『市場の主役』になる可能性も、ゼロとは言い切れない。
果たして、『資産運用立国』は実現するのでしょうか??
そもそも、この構想はどこが『起点』になっているのか。
日本政府の狙いとしては大きく『2つ』あると考えます。
1つ目は、
将来的に、財政難に陥ることが確実視される年金制度で、
国民には自助努力で老後資産を準備させたいという狙い。
数年前、
金融庁WGが示した『2000万円問題』という言葉を、
まだ記憶に留めている方も、少なからずいると思います。
もう1つは、
現金として眠る『1000兆円』を市場に呼び込む事で、
日本株を一段高に持ち込み、バブル期を突破したい狙い。
いつの世も、
『株式指数』は、通知表の主要評価項目の1つですから、
政府・中銀は日経平均を上げることを至上命題とします。
しかし、現実問題として、その実現は厳しいものがある。
何故なら、
経済格差以前に、金融リテラシー格差が拡大傾向にあり、
制度(NISA、iDeCo)は順次拡充されつつあるものの、
真っ当な資産形成に取り組む人口は、増加していません。
そして、
金融リテラシーの高い人間ほど、海外資産に投資する為、
皮肉にも、奨励するほど資産の海外流出が懸念されます。
1998年、
所謂『金融ビッグバン』による自由化が起こったことで、
売り手・買い手とも行動の選択肢が格段に広がりました。
しかし、
それから四半世紀もの時間が経過した2023年の今尚、
国内金融機関は、殆ど自らファンド組成出来ずにいます。
実際、
先日『資産運用立国』に向けて行われた話し合いの場も、
天下りの改善要求や、共通プラットフォーム作成する等、
レベルの低いものに終始して、目標とは解離しています。
地球規模で考えた時、
地理的な『要所』に位置していることは確実なのですが、
アジア圏のシンガポール・香港には水を開けられたまま。
昨年、
少しだけ言葉が出てきた『国際金融都市構想』と同様に、
フェードアウトして、立ち消える可能性が高いでしょう。
国家としても、国民としても、茨の道は暫くつづきます。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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井上耕太事務所(独立系FP事務所)
代表 井上耕太