今日のテーマは、『異次元の少子化対策が奏功したハンガリーから、日本が学ぶべきこと』です。
昨日の公式ブログでは、
『日本は少子化問題を解決するつもりはない』と題して、
恐らく、それが道半ば頓挫するであろうと予測しました。
結論、
日本の政治家は本気で解決しようなどと考えていません。
その証拠に、
本題・本質と関係のないことばかり国会で議論していて、
具体的な解決策を講じることを、延々と先延ばしします。
岸田政権が掲げる、
『異次元の少子化対策』なる言葉はとてもキャッチーで、
如何にも、親密な関係の広告代理店が考えそうですよね。
しかし、
具体的な政策と、実現可能性を問われると未だ未知数で、
ワードだけが独り歩きして、終了する可能性が最も高い。
それでは、
海外諸国に目を向けた時、『異次元なる少子化対策』が、
現実のものとして奏功した国家はあるのでしょうか??
モデル・ケースとして、欧州・ハンガリーが好事例です。
約40年前、
1981年以降、人口減少が急激に加速していた同国は、
出生率1.23と欧州でも最低レベルを記録していました。
そこで、
ハンガリー政府は『異次元の少子化対策』を実行すべく、
GDP(国内総生産)の5〜6%を予算として充当します。
先日、
IMF(国際通貨基金)により公表された速報値によると、
2022年、日本のGDPは米ドル換算で約4.9兆ドル。
円安の恩恵(?)もあり、
日本円換算した昨年GDP(国内総生産)は膨張しており、
現行為替レートとして『約640兆円』を記録しました。
単純計算として、これの5%相当額は『32兆円』ほど。
金額ベースで見ても、その『異次元さ』が窺い知れます。
それでは、経済規模から考えて巨額と言えるその予算は、
どのように割り振られ、有効活用されているでしょうか。
その1つとして、
18歳〜40歳の妻の存在を条件に、使途に制限がなく、
約350万円が借りられる無利子ローンが挙げられます。
これには、
第一子出産後、『3年間』の返済猶予される特典があり、
第二子出産時も、同様に『3年間』返済が猶予されます。
更に、
第二子出産時は、上記プラス・アルファした特典もあり、
借入れした元本の『3割』に相当する額が帳消しになる。
更に、更に、
第三子を出産すれば(正規就労条件は付されるものの)、
ローン残高の『全額』を返済免除される驚愕の制度です。
政府としては、
出産前後(特に、女性)の経済リスクを軽減することで、
子供を作ることのハードルを極力下げることが狙いです。
この『無利子ローン制度』だけでも、中々、衝撃ですね。
また、
子供を持つ家庭が『マイホーム』を購入しようとする際、
国から『助成金』が支給されるという制度も存在します。
こちらは、
日本円換算で最低27万円程から、各種条件を満たせば、
『約450万円』もの現金給付を受けることも可能です。
他にも、
4人以上の子を持つ母親は、所得税が生涯免除されたり、
学生ローンの優遇、祖父母の育児手当給付まで存在する。
『子育て』に関して斬新なサポートが拡充されています
ここまで、
『子どもを持つこと』に対してアドバンテージがあると、
国家・政府のメッセージも、明確に国民に伝わりますね。
この政策展開により、
ハンガリーの『少子化問題』は急激に解決方向へ向かい、
2021年には、出生率が『1.59』を記録するまでに。
2010年と比較して、
20歳〜39歳の女性人口が2割減少したにも関わらず、
2021年の出生数は、全体で約3%も増加しています。
もちろん、
ここまで、ドラスティックな改革を進めるプロセスでは、
国内でも、多くの反対意見や対立があったと想像します。
しかし、
既に、皆さんもお気付きの通り、それぐらいしなければ、
本気で『少子化問題』を解決することなど到底出来ない。
最終的に、日本の政治家にその覚悟があるかどうかです。
残念ながら、その点については、甚だ疑問が残りますが。
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2023年1月より【セミリタイア期間】に入っており、
今後の【資産形成セミナー】の開催は、完全に未定です。
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代表 井上耕太