今日のテーマは、『金融センター:香港は、その地位を守れるか??』です。
恐らく、
クライアントの皆さんは、今日取り上げる話題について、
『井上耕太』が情報発信するのを待ってましたよね(笑)
ちょうど1年前、
いわゆる『逃亡犯条例』の改正案を巡り、大規模デモが起こり、
今回の動乱の『序章』とも言える動きが加速し始めていました。
定住人口『700万人』ほどに対して、最大規模のものでは、
『200万人』集結したデモもあるので、なかなかですよね。
もしも、
現代日本において、同様に『自由』を脅かすリスクがある場合、
『日本人』が、同等のエネルギーを発揮できるかは、疑問です。
私自身、
この時期、変わらず『香港』に渡航し続けていましたが、
周囲の心配に反して、身体的な安全性は担保されており、
観光客が激減した同地で、快適ライフを過ごしていました。
幸いな事に(?)、
『デモ活動』の激化を受けて、前述改正案は撤回されましたが、
『これぞ民主主義』というものを、現地で見せ付けられました。
その後、
2020年初からは、『新型ウイルス』の驚異が同地を襲い、
昨年から引き続き、観光業に壊滅的被害を与え続けています。
2016年まで、
『観光客数:世界ナンバーワン』を誇った同地ですが、
『観光立国』に危うさを、日本にも呈してくれました。
また、
その動乱の最中に起こった、『国家安全法』の成立は、
更なる混乱と、不安を抱かせる出来事となっています。
ご存知の通り、
1997年、英国統治から中国に返還された『香港』ですが、
返還から50年後の『2047年』までは、
『高度自治:一国二制度』は守られるものとされて来ました。
実際、
同地を訪れたことのある方々は理解されるでしょうが、
現地の方々は、『香港人』とのプライドを持っており、
自分たちのことを『中国人』とは区別して考えます。
この辺り、
他地域から見たら、同じ『関西』という括りであっても、
『大阪』『神戸』『京都』が分けられるのと同じですね。
しかし、
『完全返還』へ、未だ『30年間』ほど時間があるにも関わらず、
最近、香港の『高度自治:一国二制度』は脅かされつつあります。
その最たる事例が、
今、話題に挙がっている『国家安全法』成立ですが、
それ以前から、親中派の政治中枢への侵入(?)は、
度々、現地では疑問視と、懸念がなされて来ました。
表向き、
『中国』と『香港』は、完全に区別されているとは言えど、
その中枢には、既に『中国思想』が組み込まれつつあると。
正直、
この『大きな流れ』は、今後も変えられないと考えていて、
『1997年以前』若しくは『2020年まで』のそれが、
未来永劫、保全・維持され続けることは無いと考えます。
確かに、
今回の『国家安全法』採決により、香港本土における、
あらゆる分野の活動において、今後、制約は伴います。
特に、
同法で規定される『処罰対象』は大きく4つ有りますが、
これらに対する取締りは、強化・厳罰化されていくでしょう。
『国家分裂』
『政権転覆』
『テロ活動』
『外国勢力と結託し、国家安全に危害を加える行為』
上記4項目です。
しかし、
私自身、こと『金融』という分野においては、
現時点、『香港』の将来性を悲観しておらず、
今後も暫く、アジア有数の『金融センター』で有り続けると考えています。
理由は、大きく2つ。
1つ目は、アジアの金融センターとして君臨する、
『シンガポール』という、既存モデルの存在です。
この国を、
『自由民主主義国家』と考える海外諸国民はほぼ居ませんが、
それでも尚、『金融センター』としての魅力は衰えておらず、
凡ゆる国家戦略が奏功して、世界の『富裕層』を引き付けます。
具体的な指定は避けますが、
『国家の枠組み』として、明確な優位性が存在する場合、
途上国に見られるような『絶対王政』が存在しない限り、
その魅力が、完全に失われることは有りません。
すべての物事は、
『リスク vs ベネフィット』の天秤で比較されると考えますが、
前者の存在があるものの、後者を全て打ち消すものでは無いのです。
また、
2つ目の理由は、今回、攻勢を仕掛けている『中国』が、
『香港』の利権を易々と手放すとは考えにくいことです。
『日本』でも同様であるように、
一度、強固に確立してしまった『既得権益』というものは、
その『恩恵』を享受するものが多数存在する為、
そう簡単には、ドラスティックな変化は受入れられません。
現時点、
これだけ、『金融分野』の利権が集中する『香港』を、
宗主国『中国』が、一気に解消すると考える方が不自然でしょう。
だからと言って、
間違って伝わって欲しく無いのは、これからも未来永劫、
『香港』の輝きが失われる可能性を否定するものでは無いこと。
全ての世界で、
『時間』の経過とともに、必ず、『変化』は訪れるものなので、
その動向に注視しながら、身の振り方を考える必要があります。
現時点、『中継点』としては、有効な場所だと考えます。
最後のフレーズについては、理解できる方だけ、理解されたら良いと思います。
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