今日のテーマは、『日本人がトルコリラに定期的に熱狂する理由』です。
昨日の公式ブログでは、『貨幣価値に本質的価値はない』という話をしました。
日本人の多くは、『1万円札』は常に『1万円札』だと思っていますが、
それは『幻想』でしかなく、世界中の『貨幣価値』は常に変化しています。
それを如実に表す事態も世界では日々起こっていて、
直近の話では、『トルコリラ』という通貨の下落があるとご紹介しました。
米国人牧師の拘束問題を受け、米国から経済制裁を下された事と、
現政権が主導する経済政策・外交不安という要因から、今回の事態が引き起こされました。
それまで、
正常に流通・機能していたと考えられていた通貨でも、
上記のように、取り巻く『情報』が変化すば、
その『市場評価』は一瞬にして崩れ去ってしまいます。
今回の『トルコリラ・ショック(?)』では、
その金融・経済分野の『常識』を、リアルに体験する機会になったのではないでしょうか。
ところで、
そのご紹介している『トルコリラ』ですが、
『遠く離れた異国の地』であるにも関わらず、
日本にも影響を受けた方々が多くいることに驚かされます。
普段、
私たちが生活していく中で、
トルコ製品・トルコブランドを利用している認識は殆どありませんし、
文化、金融、政治、経済、スポーツetc.密接に関わっている印象もありません。
また、
今、大阪・梅田のカフェでこの記事を書いていますが、
ここのモーニング代を『トルコリラ』で支払う事は不可能でしょうし、
国際決済通貨としても『トルコリラ』が用いられるケースも極稀です。
にも関わらず、
日本人である一定数の方々が『トルコリラ』という通貨に投資(投機?)し、
定期的に引き起こされる『トルコリラ・ショック』に巻き込まれるのです。
これは、何故なのか??
流石に、
同じ人が毎回、何度も『ショック』に巻き込まれていない事を願いますが、
恐らく、定期的に生み出される『投資初心者』の方々が、
皆さん同じような『思考回路』で、同じようにその餌食になってしまっていると考えます。
その『思考回路』とは、何か??
日本人が『トルコリラ』で定期的に損失を被る理由として、
私の個人的推測としては、大きく次の3ポイントが挙げられると考えます。
(1)圧倒的に高い『預金金利』に魅了される。
現在、『トルコリラ』の普通預金金利は『約17%』を記録しており、
完全に『0%』で推移する日本国と比べて異次元の世界になっています。
仮に、
『100万円』の元本を預金した場合、日本円では1年後も『100万円』ですが、
『トルコリラ』の外貨預金選択により、『117万円』になる計算ですよね。
このように記述してしまうと、『日本円』選択する必要はなく、
『トルコリラ』に投資する事こそが合理的選択のように映ります。
では何故、世界中の『お金』が『トルコリラ』に集中しないのでしょうか??
『投資』に明るい方々にとっては当たり前の話ですが、
『年率17%リターン』というメリットと引き換えに、
投資家はそれ相応の『リスク』を引き受けているからです。
1つは、その通貨自体の『下落リスク』。
例え数字上『年率17%』のリターンを享受したとしても、
その該当通貨自体が、それを上回るペースで価値下落したら意味がありません。
事実、
昨日の公式ブログ記事中でもご紹介しましたが、
『トルコリラ』は年初来『約40%』もその価値を減らしてしまいました。
また、
投資家が負う2つ目の『リスク』、、、、と言うか、
投資に不可欠なコストとしては、該当通貨との『両替コスト』があります。
日本人が『トルコリラ』に投資したとしても、
それを機に、本格的に『トルコ移住』する人間がいるとは考えていません。
完全に『100%』ではないにせよ、
間違いなく『99%』の方々は、『日本円』に戻してきて使用することになります。
そうなった時、
『日本円:トルコリラ』の行って来い往復での両替手数料は、
投資利益を圧縮する多大なコストとしてのしかかって来るのです。
上記2つのポイントを考慮すると、
いくら『年率17%』の預金金利を提示されても、簡単に投資判断は下せない事がわかります。
(2)『次は、上がるんじゃないか??』という淡い期待。
例えば、トランプで1枚ずつカードをめくっていく場面を考えましょう。
皆さんもご存知のように、『スペード』『クラブ』のカードは黒、
『ハート』『ダイヤ』のカードは赤でプリントされていますよね。
それで、
トランプを繰って1枚ずつカードを取り出すと考えた時、
『黒』or『赤』のカードどちらが出るか予測するゲームをするのです。
この場合、第1回目の事象において、
『黒』or『赤』のカードが出る確率は、どちらも2分の1である事を私たちは知っています。
出て来たカードはまた元に戻して繰り直し、
毎回、生起確率をリセットしながら進めていくゲームです。
このゲームを順次進めて行った時、
『赤』『赤』『赤』『赤』と続いたら、5回目のあなたの予測はどうでしょうか??
合理的に考えれば、
このゲームにおいて事前の事象は次の結果に影響を与えず、
5回目の試行においても、『赤』と『黒』はそれぞれ2分の1の確率で起こります。
しかし、
ここに『人間の心理』が働くと、『そろそろ黒が出るやろ』と、
『黒』を選択する人の割合が、大きく増加してしまうのです。
『トルコリラ』という通貨は2015年から10%代での下落を続けており、
この事も、『そろそろ反発がある』という考えから、投資家を惹きつけた結果となりました。
(3)『損切り』が出来ない。
『トルコリラ投資』に限らず、多くの市場参加者の方々がハマる罠として、
『(単純に)お金が増えたらいいな』という感覚で投資してしまう事が挙げられます。
対して、
『投資』『資産形成』で成功していく方々の常識として、
『出口戦略』を明確に定めて市場参加することがあり、
それは『利益確定』もそうですが、『損切りルール』を決めることもあります。
この部分を明確に定めて、『10%』ないし『15%』下落した場面で、
『損切り』して市場から撤退するというルール設定をしていたら良いかもしれません。
しかし、
現実には、このような『損切りルール』を設定している方は極稀で、
ほぼ100%の方々が、『深追い』して『塩漬け』状態になり、
次第に、自らの『記憶』からもその存在を消し去ってしまいます。
その『真正面から向き合わない』行動こそが、
さらなる『損失』の積み上げという結果に至ってしまうのです。
以上です。
キリスト教における『聖書』、仏教における『経典』、ユダヤ教における『タルムード』etc.
2000年以上前に書かれた書物に、2018年現在なっても感銘を受けるあたり、
人間の『思考回路』というものは、数千年という時間がかかってもそれほど進化しません。
『トルコリラ』投資に安易に手を出して、
『ショック』に飲み込まれる方々は、これからも未来永劫存在し続けるでしょう。
投資対象として、『トリコリラ』以外のものでも同じことです。
それでも、
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井上耕太事務所
代表 井上耕太