今日のテーマは、『米国・中国に隠れて燻り続ける、インドという震源地』です。
昨日の公式ブログでは、
『純資産:50兆円超、富裕層の世界はどうなっているのか??』と題して、
世界の富裕層が実践す流、運用の『アセット・ミクス』について紹介しました。
個人的には、
取り上げたレポートは、運用比率として(実際より)『低率』と感じたものの、
それでも、一般的な『日本人』と比べて、保有資産を『積極運用』してますよね。
少しだけ振り返ると、
『(オルタナティブ含む)リスク資産』として『約40%』を運用し、
比較的『低リスク資産』とされる債権・不動産も『約30%』保有している。
必然的に、
『キャッシュ(現金)』に準ずるポジションは、残りの『約30%』ですが、
この数字が、私が、『現実と少し乖離している』と感じているポイントです。
実際、
保有する(純)資産として『1億円』という金額を持っている人がいた時、
30%にあたる『3000万円』を現金保有しているのは考えにくいです。
昨日の記事中でも述べましたが、
日本・海外諸国共に通じる『共通認識』として、
『キャッシュ(現金)=増えない』は、世界中で通じる基本公式です。
確かに、
人間が生活する上で、居住する地域の『キャッシュ(現金)』は必要ですが、
『30%』もの『高率』の割合、『富裕層』と呼ばれる方が保有するとは思えない。
増して、
前述した『居住する地域のキャッシュ(現金)は必要』に疑問符付くほど、
『キャッシュレス』の波が大きく押し寄せている現代では尚更のことです。
上記を考慮すると、
恐らく、実際に『富裕層』が保有する『現金割合』はもっと低率で、
この数字は、『表』に出てこない『保有資産』の減額分だけ『嵩上げ』されている。
そう考える方が、ずっと『自然』です。
何にせよ、
『社会保障(年金・健康保険)システム』が破綻へ真っしぐらの日本においては、
これからの時代、所属する業界、置かれた立場に関係なく『資産形成』が不可欠です。
その事が、少しでも伝われば良いと感じています。
それで、
そんな話をしておいて、今日お話しするのは恐縮ですが(笑)、
米国・中国の対立に隠れて、将来の大国『インド』という国で、
『金融危機』のリスクが燻り続けています。
とは言うものの、
インド市場を代表する株価指数である、ムンバイ証券取引所『SENSEX』は、
現在、一時的に『40,000』を超える場面もあり、『史上最高値』を推移しています。
この株高により、
表面的な『経済』は良好さを保ち、世界的に展開する多国籍企業も、
インド市場においては『富裕層向け商品』を開発・展開しています。
具体的には、
先日、韓国・サムスン電子が発表した『次世代8Kテレビ』は、
82インチの大迫力サイズで、日本円換算『約260万円』です。
これが、普通に量産されて、ある一定数売れてしまう計算なのですから、
『インド』という大国の『ポテンシャル(人口・カースト制度)』を感じます。
しかし、
そのような、一見すると『好景気感』とは裏腹に、
『インド市場』には、目下『経済危機』のリスクが潜みつつあると言われます。
1つの『サイン』は、
前述した『株高』そのものが表裏一体で抱えている問題で、現在、
『インド市場』全体で『約20倍』まで膨れ上がっている『PER(株価収益率)』。
*ここで説明を挟むと、文章量が膨大になるので、
『PER(株価収益率)』については、ご存知ない方は『自習』願います。
『日本市場:13倍』より高いのは未だ分かりますが、
好況感続く『米国市場:17倍』を超える辺り、感覚的にも『高く』感じますよね。
つまり、
『株式市場』に、大量の資金が流入し続けている状況で、
市場全体の『株価』が、『実態』よりも高く評価されいている可能性が有ります。
所謂、『バブル』という状態です。
また、
皮肉にも、『株価最高値』を記録した今月初め(6月3日)には、
英・米に本拠を置く格付け大手『フィッチ・レーティングス』が、
インド国内大手銀行の格付けを、一斉に『投機的等級』に引き下げました。
その翌日には、
インド国内の『住宅金融会社』が、デフォルト(債務不履行)に陥り、
同社債券を組み入れた『投資信託』が、市場で大きく暴落する事態に。
この『ショック』を受けて、
インド準備銀行(中央銀行)は『追加利下げ』に踏み切ることを決定し、
『十分な流動性を供給する』と、金融緩和継続の姿勢を示す事態に発展。
インド政府・中央銀行の、今後の『舵取り』次第では、
一気に『クラッシュ』を迎える様相を呈してきているのです。
ここで、重なって考えられるのが、12年前の米国での出来事。
住宅市場を舞台に展開された『世紀のイカサマ』は、
理屈的には『2004年』時点で破綻を迎えていたにも関わらず、
その後、数年間継続して、『2008年』にようやく弾けました。
この事実が示す通り、
『経済』は、決して『机上の空論』通りに展開することはなく、
『現実世界』では、そのロジックと『逆行』する動きを見せる場面がある。
しかし、
『自然の摂理』から外れたことは、『未来永劫』は続きませんから、
どこかのタイミングで、市場全体の調整機能により『歪み』が埋まります。
次の震源地は、『インド』かも知れません。
暫くの間、少し注意して見ておきましょう。
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代表 井上耕太