今日のテーマは、『金融業界に蔓延する不可解な慣例』です。
『第100回記念大会』という節目以上に、
様々な『注目ポイント』が目白押しだった甲子園大会が終わって2日。
依然、『金足農業フィーバー』は継続中で、
エース吉田投手の進路を巡り、早くもメディアは盛り上がっています。
また、
史上初となる『2度目の春夏連覇』を達成した大阪桐蔭も、
『ドラフト指名候補:6名』『1位指名候補:3名』と、
驚愕すべき話題性を持って連日取り上げられている状況。
甲子園大会が終わってまだ2日ですが、
2ヶ月後のドラフト会議を見据えて、早くもメディアを中心に騒がしくなってきました。
このように、
例年以上に大盛り上がりだった『高校野球選手権大会』ですが、
その後ろで、負けず劣らず、ここ1ヶ月は金融業界もニュースが目白押しでした。
その中でも、
断トツのトップニュースは、現在も連日報道される、
『不適切融資』が常態化していた『スルガ銀行問題』ですよね。
東証では、
昨日は『ストップ安』、今日も『10%値下がり』で取引を終えており、
事態が収束していない事を見ると、ここが『底』では決してありません。
その話題は明日以降に詳しく触れるとして、
実は、『ビッグニュース』の陰に隠れて、
『スルガ銀行』ではもう1つ、8月に入ってから『不祥事』が報道されていました。
それは、
『スルガ銀行員、顧客の預金を1億6500万円流用』
事の経緯としては、
本店営業部勤務の40歳男性行員が、2015年4月から今年2018年6月にかけて、
顧客3人の定期預金合計『約1億6500万円』を不正解約し、流用していたというもの。
当然、
該当社員は、事件発覚直後の今月8月13日付で『懲戒解雇』されています。
流用された資金は、担当する取引先への融資金として使われており、
事務手続きの不手際で、約束期限までの融資が遅れる事を恐れた結果、移した行動です。
同銀が送付した書面を確認した顧客の一人が、
自身の預金残高が減っていることに気付き、本店に問い合わせた事で事件が発覚。
その後、内部調査を進めたところ、
該当行員が顧客3人の定期預金を不正解約していたことが判明し明るみに出ました。
個人的には、
『私的流用』ではなかっただけでもマシな事例だと感じていますが、
業務上の『過失』を隠蔽する為、該当行員が負った『リスク』は、
『ベネフィット』に対してあまりにも大き過ぎたと感じています。
『当然』と言えば、『当然』の話かも知れませんが、
該当行員は、前述の通り『懲戒免職』された上、『刑事告訴』も検討されています。
そして、
同様の事例は立て続けに起こり、今度は、
『京都』を代表する地銀である『京都銀行』においても不祥事は勃発しました。
こちらは、
西山科支店に勤務していた30代の男性行員が、
顧客11人の口座から合計『5634万円』もの資金を『着服』。
預金額や投資信託等の運用額の変化に気付いた顧客から、
同行へ問い合わせがある形で事件が発覚。
『着服』した資金については、『飲食代などに使った』と述べているようで、
個人的見解では、『スルガ銀行』の事例より、圧倒的にタチが悪いですよね。
もちろん、
こちらの行員も今月8月13日付(奇しくも同じ日)で『懲戒解雇』されてますが、
『着服』した資金については全額返済しているので(*)『刑事告訴』は免れるようです。
*そもそも、『5000万円』を超える資金を『着服』する人間が、
その全額を『返済する能力』を持っていたかは大変疑わしいです。
*個人的には、『大事』になる事を恐れた金融機関サイドが、
裏で肩代わり等して、ブランドイメージを凋落を最小限に留めたと見ています。
*『金融機関』という枠を超えて行えば『窃盗』にあたる行為を、
『全額返済したから』という理由で『刑事告訴』しない事も不可解ですよね。
このように、
様々な『大きなニュース』に紛れて、
常識的に考えたら『有り得ないニュース』が、今月(2018年8月)は連続していました。
いつもこのような事例が勃発した時、
私が『不可解な慣例だな』と感じるのは、
『該当行員について、実名報道が全く為されない』というポイントです。
今回の事例も、
『スルガ銀行』においては『40歳の男性行員』、
『京都銀行』においては『30代男性行員』とだけ報道されており、
大きな罪を犯したにも関わらず、『個人情報』は制限されています。
この点に『違和感』を感じるのは、私だけでしょうか??
*もちろん、業界内部では実名は知れ渡っていると考えます。
*一度でも、そのような『大罪』を犯した人物を、
他の金融機関が雇用してしまう『リスク』を回避するための情報共有です。
地方都市の方々は実感持っていただけると思いますが、
地方都市における『地銀さん』は、地元住民から絶大なる信頼を得ています。
私の地元・岡山県にも、
世界的なメガバンク『Bank of China』ではない『中国銀行』が有りますが、
岡山県民のほとんどは、『中国銀行』が都市銀行だと本気で考えています。
地元では『中銀さん』で親しまれていますが、
そのような事例は、全国でも同様に存在しているのではないでしょうか。
そして、
これらの報道のような『流用』『着服』では無いにせよ、
相手を信頼し過ぎてしまった故に、『合法的悲劇』も相当数起こっていると想像します。
(*手数料ビジネスの術中にはまった、投資信託・債権等の販売がそれです。)
私たちが意識しなければいけないのは、
相手も『人』で有り、それが故『誘惑』にも揺らぐので、信用し過ぎてはいけないという事。
常に『フラット』な視点を保ち続けながら、
『金融機関』とも『冷静に』お付き合いしていくことが大切だと考えます。
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井上耕太事務所
代表 井上耕太